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【荒木正医師】コレステロール数値改善の一助となる薬とは

 【Q】50歳の時に心筋梗塞になり、その際に高コレステロール血症を指摘されて以来、現在も薬を飲んでいます。食事や運動も自分なりに気を付けていますが、コレステロールの数値が改善しません。どうしたらよろしいでしょうか?(60代男性)

 【A】高コレステロール血症とは、血液中のLDL(悪玉)コレステロールが多過ぎる状態を指し、LDL 140mg(ミリグラム)/dl(デシリットル)以上で高コレステロール血症と診断されます。高コレステロール血症は将来の心筋梗塞、脳卒中、認知症と関連が強いことから食事、運動の改善ならびに飲み薬の使用でLDL 160mg/dl未満にすることが推奨されています。

 しかし、この値はあくまでも健康な方の目標値であり、脳卒中にかかったがことがある方でLDL 120mg/dl未満、心筋梗塞にかかったがことがある方でLDL 100mg/dl未満と今まで病気のあった方でより厳しく目標値が設定されています。

 このため質問者の目標値はLDL 160mg/dl未満ではなく、LDL 100mg/dl未満であり、心筋梗塞を生じたほとんどの方で食事、運動の改善のみならず飲み薬が必要となります。また、基準値がより低く設定されているために心筋梗塞後になった方のうち、LDL値が目標値に到達している方は、薬を飲んでいたとしても60%程度と報告されております。

 これを解決する一助としてPCSK9阻害薬(※)というLDL値を下げる注射が本年1月より使用できるようになりました。現在エボロクマブ、アリロクマブという2種類の注射が使用でき、2週間または4週間に1度注射を打っていただくことで、LDL値を飲み薬だけの時よりも更に70%低下できるとされています。

 薬の値段が高いなどの問題点もありますが、今後徐々に普及し、治療の一助になっていくものと思われます。

 ※PCSK9阻害薬 肝細胞の表面に存在するLDL受容体の分解を促進する働きがあるPCSK9を阻害することで血液中のLDL値が低下する抗体医薬品のこと。

 ◆荒木 正(あらき・ただし) 03年、東邦大学医学部卒。東邦大学医療センター大橋病院などに勤務後、16年に東京都江東区に亀戸内科クリニック開設。循環器・糖尿病内科医として地域に密着。総合内科専門医。循環器専門医。

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