左手首を骨折した山梨学院・菰田陽生投手が見せた、メンタルの強さ
悔しさがにじみ出ていた。8強入りを決めスタンドへ向かう山梨学院・菰田陽生投手(3年)だ。
26日の対大垣日大(2回戦)の試合後のことだ。校歌を歌い終えて駆け出すナインから遅れてスタンドへ向かう姿があった。包帯を巻いた左手首の痛みに耐えながら、試合に出られなかった悔しさがにじみ出ていた。
試合中は、主将としてチームメイトを“声”で後押した。伝令でマウンドへ行く一幕もあった。終始、前向きな表情で身ぶり手ぶりを交えながらナインをサポートしていたが、8強入りを決めた試合後に、ナインには見せなかった思いを、ファインダー越しに垣間見た気がした。
昨夏の甲子園で投打に大活躍し、横浜・織田翔希、沖縄尚学・末吉良丞らと共に「高校生BIG3」と呼ばれるようになった。194センチ、100キロの恵まれた体格で、最速152キロを誇る二刀流右腕だ。1回戦の長崎日大戦は2番ファーストでスタメン出場し、初回にいきなり先制の左越えソロを放ちチームを鼓舞した。ところが5回の守備で悪送球を捕球しタッチプレーで打者ランナーと交錯し左手首を骨折した。屈強な選手の負傷退場は、野球がケガと隣り合わせの競技だということを改めて感じさせた。
夢舞台に立ちながらプレーできないという、痛恨のアクシデントだが、個人的な思いを胸にしまって、主将としてナインとともにスタンドの祝福に応える姿は立派だった。強いメンタルを感じた。(デイリースポーツ・開出牧)
