【野球】「僕の野球人生は桑田と始まり、桑田と終わった感じがする」巨人で20年の現役を終えた元広島の西山秀二さん

 1990年代の広島で正捕手として活躍した西山秀二さん(58)は、19年間在籍した広島を退団し、2005年に巨人の一員となった。だがプロ20年目のシーズンは13試合の出場にとどまった。大阪・上宮高から南海入りして始まったプロ野球選手としての日々は、広島を離れて向かった新天地で終わりを迎えた。

  ◇  ◇

 2005年10月5日。東京ドームで行われたシーズン最終戦。巨人の対戦相手は西山さんがプロ人生のほとんどを過ごした広島だった。

 この一戦に合わせて西山さんは、元木大介選手、後藤孝志選手とともに1軍に昇格。引退する3人への球団側の配慮だった。

 「1年でジャイアンツを辞めることになって、最後に3人で引退試合というか、試合に出してもらったんです。巡り合わせですかね、カープ戦だったんですよ。最後やから佐々岡と対戦したかったんやけど、それは無理でしたね」

 広島時代の盟友で数多くコンビを組んできた佐々岡真司投手の名前を出した。

 先発はデイビー。五回に代打を告げられた西山さんは、左翼席の広島ファンからも大歓声が送られる中、豪快にバットを振った。

 「デイビーが気を使って投げてたのかストライクが入らなくて、ボールばっかりで当てられそうになってね。最後の試合でデッドボールもイヤやからクソボールを振って三振で終わったんです」

 苦笑しながら空振り三振となった現役最後の打席を振り返った。

 試合後のナインからの胴上げは印象深い。前年に広島のチームメートから市民球場で胴上げされ、今度は東京ドームで広島ファンに見守られながら宙に浮く自分。2年連続で胴上げしてもらうことになるとは思いもしなかった。

 巨人ファンのみならず、広島を去り巨人に移籍した自分のラスト試合を見届けてくれたファンへの感謝は今も尽きない。

 「最後に場内を一周する時には、カープファンにもあいさつできたんです。すごい声援してくれたから、ありがたかったですね」

 11月30日に都内の球団事務所で行われた引退会見。西山さんは「巨人で初スタメンの神宮で、桑田くんとバッテリーを組んだのが一番の思い出」と、4月17日のヤクルト戦で、大阪・大正中時代以来23年ぶりに桑田真澄氏とバッテリーを組んだことを挙げている。

 球界の盟主である巨人で、かつての仲間と同じユニホームに袖を通して野球をやれたことは選手冥利に尽きるのかもしれない。

 「(元広島の)江藤(智)がいたし、元木、清原(和博)、桑田と知ってるもんが結構いたからね、気は楽でしたよ。やっぱり今思えば、僕の野球人生は、桑田と始まり、桑田と終わったんかな、そんな感じがしますよね」

 しみじみと不思議な巡り合わせを回想した。

 プロ20年目のシーズンは13試合の出場で打率・111。当時37歳だった西山さんにとって現役最終年はどんな年だったのだろうか。

 「キャンプで全然投球を受けられずにシーズンに入ったピッチャーがたくさんいたし、やっぱり思うようにはできなかった。間に合わんかった。何試合か出してもらったけど、うまくはいかんかったね」

 西山さんは、そこから言葉を続けた。

 「でも、いい勉強はさせてもらった」。移籍したからこそ見えた景色があった。

(デイリースポーツ・若林みどり)

 西山秀二(にしやま・しゅうじ)1967年7月7日生まれ。大阪府出身。上宮高から1985年のドラフト4位で南海に入団。87年のシーズン途中で広島にトレード移籍。93年に正捕手となり94、96年にはベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。広島の捕手として初めて規定打席に到達して打率3割をマーク。2005年に巨人に移籍し、その年に引退。プロ在籍20年で通算1216試合、打率・242、50本塁打、36盗塁。巨人、中日でバッテリーコーチを務めた。

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