【スポーツ】競技チアの超名門校が応援活動との“両立”を続ける意義 日体大チアリーダー部「VORTEX」の“魂”とは
デイリースポーツ記者が独自目線で注目した人物、スポーツなどを掘り下げる「クローズアップ」(随時掲載)。今回は大会強豪校の日体大のチアリーダー部「VORTEX」(ヴォルテックス)に注目する。昨年は全国大会のJAPAN CUPで4年ぶりの優勝を果たした。毎年V争いを繰り広げる上位常連チームだが、大会への出場だけでなく、箱根駅伝や首都大学野球のリーグ戦などの応援活動も盛んに行っている。チアリーダー部を競技と応援に分けて活動する学校がある中、なぜ“両立”を続けるのか。応援の意義について、大槻彩子ヘッドコーチ(47)に話を聞いた。
日体大のチアリーダー部「VORTEX」は、昨年のJAPAN CUPで優勝、全日本学生選手権で総合優勝、世界選手権のチアリーディング・シニア部門で12連覇を果たすなど、数々の大会で好成績を残した。部員数は過去最大の81人。競技チアの世界で超名門校ながら、他競技の応援活動も行い、応援チアと競技チアを“両立”している。
チアリーダー部はこれまでリーダー部とブラスバンド部とともに応援部に所属していたが、2022年4月からは移行し、現在は運動部として活動している。それでもこれまで同様の3部で応援活動や学校行事などに力を入れ続けている。一つの運動部として認められても活動方法を変えないのはなぜか。長年、日体大のチアリーダー部で指導を続ける大槻ヘッドコーチは言う。
「VORTEXのチアリーディングの根底には応援活動がある。応援活動あってのチームなので、応援してこそチアスピリットが育つ。チアはショーやパフォーマンスではなく、応援の魂が根底にあり、絶対になくてはならないもの」
人を、スポーツを、応援する熱い気持ちがあってこそ競技が成り立ち、演技に表れる。だからこそ傘下が変わっても応援活動を辞める、分ける、といった考えにはならなかった。「(チームの)歴史はまず『応援活動あっての競技』というところにある。そこからVORTEXが始まっている」と創部42年の歴史を振り返った。
多忙な日々の部活動において、部内で工夫を行っている。大会メンバーを選ぶセレクションで、上位16人のAチームは基本的に大会練習が中心となり、Bチーム以下がチームごとに順番で応援に行く仕組み。それでも野球部の明治神宮大会など大きな大会には必ず全員で応援に駆けつける。
もちろん他競技でのハーフタイムショーやイベントのための練習も行い、日中に野球やアメリカンフットボールなどの応援に行った後、学校へ戻ってきて練習に参加するハードな1日もある。大会に向けて練習後に自主練習に励むなど体力の限界まで毎日取り組んでいる。全体の活動を通してチアスピリットを養うのだ。
現在は応援活動に取り組みながら、6月にスウェーデンで行われる「FISU世界大学チアリーディング選手権大会」とJAPAN CUPの予選となる関東大会兼地区予選に向けて練習中。「日本一、世界一になることがみんなの一番の目標。自分たちができる最大の演技を出し切りたい」と大槻ヘッドコーチ。チアリーダーとしての“魂”を胸に活動を続けていく。(デイリースポーツ・和泉玲香)
