【サッカー】生粋の阪神ファンのJ1神戸DF岩波 阪神とアベックVへ燃える「毎日、試合は見てた。続いていけるように」
23年以来となるプロ野球・阪神とのアベック優勝へ、神戸DF岩波拓也(31)が燃えている。神戸のアカデミーで育ちながら、野球好きで生粋の阪神ファンだ。今年は阪神の近本光司外野手、岩崎優投手と対談し、プロ野球選手の準備術に感心することもあった。それでも自身の調整スタイルを貫き、J1、天皇杯、アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の頂点へ、力を発揮する。
神戸は欲しかったタイトルを一つ落とした。7日のルヴァン杯準々決勝・横浜FC戦は1-0も、ホームアンドアウェー方式で行われた第1戦の2点差の負けを逆転できず敗退。だが、岩波は悔しさの一方、決して後ろ向きにならなかった。心の励みにしている阪神が同日、2年ぶりのリーグ優勝。「毎日、試合は見てた。(神戸は)三つ大会が残っている。自分たちも続いていけるように」と誓った。
神戸イチの虎党。小学生時代は友人と野球で遊ぶことも多かった。見ることが好きだった高校野球を入り口に、「甲子園のあの雰囲気が好きなんです」と阪神を応援するようになった。
今年は阪神が創設90周年で神戸が30周年。ともに節目を迎え、5~6月にはコラボ企画も行われた。クリムゾンレッドと縦じまの両方の魂を心に宿す岩波は6月18日、甲子園のロッテ戦で始球式を務めるなど両チームの架け橋に抜てきされた。
DF山川哲史とともに阪神・近本、岩崎との対談動画にも出演。動画では試合前の個人の調整について語り合う場面もあった。山川と近本は試合会場到着後から早めの準備を心がけるが、抑え投手の岩崎は終盤の出番に向けて試合直前や試合中に調整を行うという。
岩波も「アップより試合に集中したい」とゆったり時間を使うタイプ。ピッチでの調整前にジムへ行くチームメートも多いが、自身は「一人だけ取り残されてコーヒーを飲んでいる」と苦笑いで明かしていた。
対談を振り返り「思っていた以上に野球選手はしっかり準備していた」と感嘆。尊敬の念を抱く一方で、自分のスタイルを変えるつもりはない。
「僕はあまり長い時間集中してできるタイプじゃない。自分でも分かってるし、90分でどれだけパフォーマンスを出せるかが大事というのは、(浦和)レッズの時に酒井宏樹君から学んだこと」
優先順位はあくまで試合本番だ。「もちろん来る時間も違えば、やることも違う。一人一人がプロとして試合に100%やれれば、それでいい」と岩波。今季リーグ戦中盤では、勝ち試合の終了間際に途中出場することも多かった。限られた出場機会の中で全力を発揮し、虎とのアベックVに貢献していく。(デイリースポーツ・中谷大志)
◆岩波拓也(いわなみ・たくや)1994年6月18日、神戸市出身。神戸の下部組織で育ち、11年から第2種登録選手としてトップチーム登録。18年に浦和へ完全移籍し、24年神戸に復帰。16年リオデジャネイロ五輪日本代表選出。ポジションはDF。利き足は右。186センチ、72キロ。





