【サッカー】「ドリブルデザイナー」が語る日本代表MF三笘薫のすごさとは? 客観的に見て驚異的な二つの特徴
サッカーファンを魅了するドリブル。一般的に、今の日本代表で浮かぶドリブラーといえばMF三笘薫(28)=ブライトン=だろう。来年の北中米W杯でも、持ち前の突破力を生かした活躍が期待される。ドリブルのすごさについて、多くのプロ選手とコラボし、昨年末までドリブルデザイナーとして活動していた岡部将和氏(41)が語った。
YouTubeをはじめ、SNS上で配信するドリブル動画閲覧数は2億再生超え。10人以上のサッカー日本代表をはじめ、C・ロナウド、ネイマール、モドリッチなど数多くのスター選手とコラボしてきた岡部氏。過去には欧州で三笘とも交流経験がある。これまで数々のプロ選手を分析してきた中、客観的に見て三笘のドリブルは驚異的だという。
一つ目の特徴は角度と距離。岡部氏は、相手DFとの距離が一定の場合、対峙(たいじ)する角度によって抜ける確率が変化すると話す。「相手に気づかれず、『あなた安心ですよ。距離変わっていませんよ』と、角度を変えていくのが、ドリブルの肝。その距離を保ったまま角度を変える。これがとんでもなくうまくて絶妙なのが三笘選手なんです」と説明。筑波大時代からの大きな武器だ。
二つ目は縦に抜けるドリブル。中へのカットインを得意とするドリブラーが多い中、三笘は爆発的スピードと足元の技術で縦への突破力を持つ。そして相手DFに縦を警戒されるからこそ、さらに中も切り裂くことが容易になっているという。
「ドリブルで抜いた後、今までは長友選手(FC東京)のようなクロスがほとんどだったんです。三笘選手がそれを変えた。縦にかわしてから、もう一歩中にグッと入るんです」。2022年のカタールW杯最終予選オーストラリア戦で、日本の7大会連続W杯出場を決定付けた2点目のゴールは、まさにその形だ。
神奈川・あざみ野FCでサッカーを始めるも、体が小さく線も細かったという岡部氏。だからこそ「対戦する前からすごく考えないと対等に戦えなかった」と思考力を磨いた。祖父が棋士だった影響で「逆算して」と詰め将棋のように理論を構築。センスと言われてきたドリブル技術を言語化し、選手の長所に合わせて伝授するドリブルデザイナーとして15年から活動を始め、三笘ら世界的ドリブラーと交流にまで至った。
現在はドリームデザイナーとして、子どもの夢の応援活動に励んでいる。28日には千葉市内で、全国の小中学生を対象に元アルゼンチン代表のハビエル・サビオラ氏が参加するサッカーイベントを開催。「子どもの夢のきっかけを作りたい」と目を輝かせた。(デイリースポーツ・松田和城)
◆岡部将和(おかべ・まさかず)1983年8月1日、神奈川県出身。あざみ野FCから横浜Mジュニアユース、神奈川県立荏田高を経て桐蔭横浜大に進学。主将として神奈川県1部リーグ優勝、神奈川県知事杯優勝を経験した。その後フットサルに転身し、Fリーグの浦安、湘南などでプレー。15年からドリブルデザイナーとしての活動を始め、サッカー日本代表や世界のスター選手に個別で独自のドリブル理論を指導した。SNSの総フォロワー数は240万人。




