【野球】広島カープ野球の基本「堅守」の現在地 三好コーチ「難しい部分も」 打撃特化型で春季キャンプ
広島が打撃特化型のキャンプで課題克服に着手している。昨年はリーグワーストのチーム打率・238に終わった反省から、今キャンプではほぼ毎日、連続ティー&ロングティーをメニューに組み込み、16日の練習試合・阪神戦では11得点。効果が表れている一方で、守備面にはどう向き合っているのか。カープ野球の基本である『堅守』に目を向けた。
キャンプの風物詩と言えば…。特守でボールに飛び込み続けて全身泥だらけになった選手を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。例年以上の練習量をこなしている今年のカープ1軍キャンプ。ただ、ユニホームの上まで泥だらけという選手はここまでほとんど見かけていない。
理由の一つに今キャンプは打撃に割く時間が昨年と比べて圧倒的に増えたことが挙げられる。声を上げながら汗をしたたらせてバットを振り込む野手の姿をここまでたくさん見てきた。その一方で守備面は?三好1軍内野守備・走塁コーチは「監督の方針として『打』でキャンプをやっていくということなので、(守備の)量はこなせていない。難しい部分もある」と守備面を任された者としての素直な心境を明かした。
現在は全体練習前後の重点練習で量を補おうとしている。もちろん全体練習中にもシートノックなどの守備のメニューもあるが、若手には複数ポジションに挑戦して出場機会を増やそうとしている選手が多くいる。同コーチは「数を受けないと感覚は出てこない」と話し、効率も重視しながら、量の確保に努めている。
日南キャンプでのシートノックでは若手にミスが散見された。藤井ヘッドコーチは日南キャンプ終了時に「こんなんで勝てると思っているのか、1軍に残らないといけない、ロースターに入ろうと思っているのか」と野手陣に投げかけたという。
その真意について「打つだけがアピールではない」と同コーチ。「4打数3安打だから1軍に残れると思っていたら大間違い。いろんなところを見ている」と目を光らせた。
打撃に注力するあまり、カープのストロングポイントである守備力をおざなりにするわけにはいかない。矢野などは2月の打撃特化型キャンプを見越して、1月の自主トレを守備中心に行って準備してきたという。キャンプも終盤へと向かっている。実戦が増えてくるこれからは打撃に加えて守備面の底上げも求められてくる。