【スポーツ】なぜ石川祐希は国内リーグではなくセリエA王者のペルージャを選んだのか? 「貫きたい目標」とは

 バレーボール男子日本代表主将の石川祐希(28)が、2024-25年シーズンからイタリア1部リーグ・セリエA王者のペルージャに移籍することが発表された。国内リーグを含む多くのオファーがあった中で、イタリアリーグにこだわった理由とは。

 バレーボール道を究めることが決断の軸だ。石川は17日に都内で会見を行い、移籍を報告。今秋から発足する国内のSVリーグをはじめ、世界から多くのオファーがあった中、イタリアの地に残ってペルージャの一員として戦うことを決めた。

 理由はアスリートとして単純明快。「世界最高峰のイタリアリーグの中で、世界一のプレーヤーになる目標を立てている限りは貫きたい。来季は優勝のみを目指す」。冷静な口ぶりの中に、世界の頂点を目指す熱い信念をのぞかせた。

 中大1年時だった2014年から、モデナでイタリア初挑戦。当時はVリーグで結果を残してから海外挑戦するルートが一般的だったが、大学生の石川に異例のオファーがあり、「行きます」と二つ返事で即答した。

 今は世界ランキング4位の実力を持つ日本だが、当時は世界に大きく差をつけられていた時代。イタリアでレベルの高い世界トップ選手のプレーを目の当たりにし「日本代表に入ってVリーグの試合に出て、人生を終えるのかな」の考えは「バレーをするなら海外」へと変わった。掲げる目標の“優勝”の文字には、“世界で”の3文字が自然と付け足されていった。

 ペルージャは昨季プレーオフ、イタリア杯、世界クラブ選手権、スーパー杯と4冠を達成した“世界最強クラブ”。世界ランキング1位のポーランド選手など、多くの実力者が在籍する。セリエAで活躍してきた石川であっても、またポジション争いから始まることになるが「スタメンを争って、勝ち取ることから始まるのは楽しみ」と歓迎する。

 自身が考える世界トッププレーヤーの定義がある。「あくまでチームスポーツなので、チームが優勝することが絶対条件。その中でMVPを取ることが一つ世界一になったと言える」

 1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりのメダル獲得の期待をエースとして背負い、そして自身の夢を追い続ける石川。五輪を終えて迎えるイタリア10季目のシーズンで、“世界最強クラブ”で世界一のプレーヤーになってみせる。(デイリースポーツ・谷凌弥)

 ◆セリエA イタリアのプロバレーボールリーグ・レガ・パラヴォーロのトップディビジョンを指す。毎年9月から翌年3月までレギュラーシーズンを戦い、上位8チームが3月から5月に行われるプレーオフに進出する。各国の代表選手がそろっており、世界最高峰リーグと称される。

 ◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)1995年12月11日、愛知県出身。小学4年でバレーボールを始める。星城高では2年連続でインターハイ、国体、春高を制する3冠を達成した。14年に中大に入学し、同年9月に日本代表デビュー。イタリア1部リーグではモデナ、ラティーナ、シエナ、パドバ、ミラノと渡り歩き、昨季は自身最高位の3位となった。192センチ。

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