【野球】オリックスのキャンプにファン殺到の理由 選手との距離感、創意工夫でオリ姫も定着 3連休で7万人集客

 ファンサービスに応じるオリックス・山岡(左から2番目)
 ファンサービスに応じる広岡(右)
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 オリックスのキャンプ地、宮崎県の清武総合運動公園は連日、大勢のファンでにぎわっている。10~12日の3連休は計7万1196人が来場。11日は15年にキャンプ地を清武に場所を移してから過去最高の2万9196人が来場した。オリフィーバーの裏側にあるのは-。A、B班の同地開催やファンサービスの距離感、10年間で積み上げてきた球団の努力に迫る。

 ◇  ◇

 オリックスの球団関係者は口をそろえて言う。「こんなに入っているのは見たことがない。3万行くんちゃうか」。球場の至るところにファンがズラリ。キャンプ地の清武総合運動公園でオリフィーバーが起きている。

 リーグ3連覇中でファンが急増中。注目度は抜群に高い。特に、3連休だった10~12日は計7万1196人が来場し、どこを見渡しても人、人、人だった。印象的だった光景がある。ファンと選手の距離感の近さだ。

 球場外に選手通路があり、導線にコーンが敷かれている。その外側でファンが待機しているが、気軽にサインや記念撮影、ハイタッチなどが選手とできる環境となっている。選手会長の杉本は物販エリアで子どもたちと一緒にガチャガチャを引いたりしているほどだ。

 広島からFAで加入した西川も「近いですね。なかなかない距離感で」と連日、時間の許す限りペンを走らせている。若手からベテランまで積極的にファンサービスをする姿が習慣づいている。

 小浜本部長も「距離感が近いキャンプが、来場者にもつながっているのかなと思います。10年前に清武に来た時と変わらず、リーグ3連覇しても一生懸命サインをしている。そういうのがすごくあるチームですよね」と充実感を漂わせていた。

 また、A班とB班が同じ施設内のグラウンドで練習していることも大きなポイント。徒歩での移動が可能で、お目当ての選手にすぐに会いにいくことができる。1、2軍別のキャンプ地で練習している球団も多い中、オリックスは“得”だ。

 日本ハムからトレードで移籍した吉田は「女性ファンがすごく多いですよね」と驚いていた。吉田の言うように、“オリ姫”と呼ばれる女性ファンが多く来場しており、黄色い声が飛んでいる。山岡や広岡ら甘いマスクの選手のユニホームを着ている女性ファンが多く、14日はバレンタインデーということもあり、“オリ姫”たちがチョコを渡すシーンも見られた。

 “オリ姫”の定着には、球団の事業側の努力も影響しているだろう。近年は京セラドーム「オリ姫デー」を開催しており、女性が楽しめるイベントとなっている。昨年は選手たちがアイドル風のカットを撮り、SNSなどで大反響があった。

 リーグ3連覇前は長年、Bクラスだったが、事業側は斬新なユニホームの制作や、ファン拡大に注力してきた。小浜本部長は「低迷期に事業側が努力をしていなかったら、ファンは減っていたと思う。球団も一緒になってファンサービスに力を入れ続けたことが大きいですよね」とうなずく。

 事業側の努力も実を結び、今や12球団のキャンプで屈指の、集客力のある球団となった。今季、リーグ4連覇&日本一奪還を達成すれば、その勢いはさらに増すだろう。(デイリースポーツ・オリックス担当 関谷文哉)

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