【野球】楽天・田中将、巨人・坂本勇… ハンカチ世代の逆襲が24年のセ、パのペナントレースをヒートアップさせる

 楽天・田中将大(35)、巨人・坂本勇人(35)…。ハンカチ世代の逆襲が、2024年のセ、パ・リーグのペナントレースをヒートアップさせる。

 2月1日のキャンプインに向け、すでに大半の選手は自主トレで汗を流し始めている。セ・リーグでは阪神の球団史上初の連続日本一、パ・リーグではオリックスのリーグ4連覇などに注目が集まるが、他球団も指をくわえているわけがない。新外国人やFAでの選手獲得に余念がないチームも多い。一方、昨年の秋季キャンプから今年の春季キャンプで若手の有望株を鍛え上げて、現有勢力の底上げを図る球団もある。また、チームによっては、実績あるベテラン選手の完全復活を心待ちにしているケースもある。特に、ハンカチ世代と呼ばれ、球界で一世を風靡(ふうび)した選手を抱えるチームはそうだろう。ハンカチ世代とは、1988年(昭和六十三年)度、すなわち88年4月2日から89年(平成元年)4月1日までに生まれたプロ野球選手の総称だ。ハンカチ世代の由来は「第88回全国高等学校野球選手権大会」で活躍した、元日本ハムの斎藤佑樹氏にちなんでいる。

 この世代はまだ現役でプレーしている選手も多いが、注目は本年度の契約更改を終了していないものの、日米通算200勝まで残り3勝に迫っている田中将だろう。確かにヤンキースから楽天に復帰したここ3年間は通算20勝32敗と振るわない。だが、渡米前の2013年には24勝0敗1セーブ、防御率1・27の無双状態を誇った投手。昨年10月下旬に神奈川県内の病院で「右肘関節鏡視下クリーニング術」も受け、不安材料のひとつも取り除かれた。年齢的には現役生活は残り少なくなったが、いわゆる“顔”もあり、テクニックは折り紙付き。故障さえなければある程度の数字は期待でき、チームをAクラス争いに押し上げるピースになるかもしれない。

 また、巨人の坂本勇もチームの浮沈のカギを握るだろう。坂本勇は、私が初めて宮崎キャンプでみたプロ入り2年目の2008年からスタメンに定着。20年には右打者としては、史上最年少となる31歳10カ月でNPB史上53人目となる通算2000本安打を達成し、現在は2321安打まで本数を伸ばしている。ここ数年は、内野手として一番過酷と言われるショートで長年プレーしてきたことからくる“勤続疲労”もあり、故障がちだった。だが、昨季後半から三塁のポジションに就くことになり最終的には116試合出場で規定打席をクリア。打率・288、22本塁打、60打点まで記録を伸ばした。

 入団以来、阪神の正遊撃手だった鳥谷敬氏も35歳となった16年シーズン終盤から、三塁手でスタメン起用されるようになった。完全に三塁手にコンバートされた翌17年には打率が・236から・293と大幅アップ。三塁手としてゴールデン・グラブ賞にも輝いている。坂本勇も可能性十分だ。

 野球はチームプレーで、選手ひとりの力ではどうにもならない部分はある。それでも、すでにレジェンドクラスの実績を残すハンカチ世代の活躍は、間違いなくチームを押し上げる原動力になる。(デイリースポーツ・今野良彦)

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