石川、郡司、宇佐見らトレード選手が新天地で続々と活躍 その要因は-新庄監督が語った「30打席」の意味 評論家「一番は先入観」
プロ野球で今季、トレードとなった選手の活躍が目立っている。
8日、3日に巨人からトレードで加入したばかりのロッテ・石川が日本ハム戦に代打で出場し、決勝打。9日の同戦はスタメン出場し、第1打席で中越え二塁打を放ち、移籍後3打席連続安打をマークした。
6月19日に日本ハムから中日に加入した宇佐見は移籍後、20打数9安打、打率・450と持ち味の打力を発揮。低迷するチームで、ファンの信頼をつかんでいる。
また、その宇佐見の交換要員となった郡司も打率・350、1本塁打、4打点。新庄監督は「郡司君はもう15年目かな?。球種を絞って一発で捉えていくところは、ベテランの姿にしか見えなかったです。頼もしいです」と、活躍を喜んだ。また、起用法についても「まずは30打席くらい与えて見てみないと」と、チャンスを与える考えも示している。
9日にはその郡司がスタメンマスクをかぶり、中日から一緒にトレードで加入した山本と先発バッテリー。167センチの山本も持ち味を発揮し、2回無安打無失点と完璧な投球をみせた。
現役時代、トレード経験のあるデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「トレードの良さは、一番は先入観を持って見られることがなくなること。どうしても、課題や弱点を気にされて使われないこともあるけど、新天地ではまず、いいところを見てくれる。環境を変えることで選手も期待されることが分かる。『よし、やってやろう』と積極的、攻撃的な気持ちになれることでいい結果に結びつくこともある」とした。
打撃が持ち味の石川、宇佐見、郡司は今季、古巣では1軍での出場機会に恵まれなかった。関本氏は「石川なんていつ出てもおかしくなかった。他球団から人気あっただろうな。やっぱり1打席、2打席で結果を出せなければ2軍に落とされる、ということになってくると、結果を出すことも難しい」と語り、メンタル面を好調の要因に挙げた。
石川をロッテに放出し、中継ぎの小沼を獲得した巨人・大塚副代表は移籍までの経緯を説明。「(石川は)環境を変えれば大化けする可能性があると。バッティングは一流なんだから頑張れと話をした」とし、「原監督と思いが一致したのは、飼い殺しをしてはいけないと。やっぱりうちに置いときたいですよ。でも慎吾のためを思うと、活躍できる場を提供してあげたいと思った。活躍してほしいです」と、“親心”も口にしている。
今年3月、日本ハムからロッテに加入した西村はすでに27試合に登板。5月、オリックスから巨人に加入した鈴木も16試合に登板し、不安定だった中継ぎ陣を支えている。
昨オフ、初めての試みとして行われた現役ドラフトでも、阪神・大竹や中日・細川が新天地で大活躍。環境を変えて、本来の力を発揮している。
かつてはネガティブなイメージも持たれていた“移籍”。日本野球界でも成功例が続出していることで、そのイメージは一変したと言えそうだ。(デイリースポーツ取材班)




