侍J 決勝の相手・米国ってどんなチーム?3大会ぶりの優勝をかけた頂上決戦

 メキシコを劇的な逆転サヨナラ勝ちで破り、3大会ぶりの決勝に駒を進めた侍ジャパン。14年ぶりの世界一をかけて戦う相手は、メジャーのスター選手が集う米国。前回大会優勝で、連覇を狙うライバルはどんなチームなのか分析してみた。

 1次リーグC組では初戦のイギリスに6-2で快勝したが、2戦目のメキシコに不覚を取って5-11で敗北。3戦目のカナダは七回コールドの12-1で破り、最終戦のコロンビアは接戦になったが3-2で制し、通算3勝1敗のC組2位で準決勝進出を決めた。

 D組を4戦全勝で1位突破したベネズエラとの準々決勝は点の取り合いになったが、2点を追った八回にターナー(フィリーズ)の逆転満塁弾が飛び出し、2大会連続の決勝進出を決めた。

 全6試合で4番までのラインアップは不動。1番・ベッツ(ドジャース)は2018年に打率・346で首位打者に輝き、MVPにも輝いた通算213本塁打の右翼手。大谷のチームメートとしても知られる中堅・トラウト(エンゼルス)が2番に座る。推定年俸53億円、MVPを3度獲得し、今大会はドリームチームの主将を務める通算打率・303、350本塁打、896打点の実績を誇る最強戦士で、1次リーグ突破を決めたコロンビア戦ではチームの全打点をたたき出す活躍を見せた。

 3番はメジャー通算315本塁打、1042打点で、昨年自身初のMVPを受賞したゴールドシュミット(カージナルス)。2年連続で30本塁打を放ち、一塁を守る主砲は準決勝のキューバ戦で初回に逆転2ランを放つなど、打率・333と好調だ。4番には通算299本塁打、968打点のアレナド(カージナルス)が座り、2試合連続マルチ安打と大一番に向けて調子を上げてきており、10年連続ゴールドグラブ賞の三塁守備にも注目だ。

 5番以降は流動的だが、左翼を守る左打ちのタッカー(アストロズ)の起用が有力。2年連続30本塁打の長距離砲は準々決勝のベネズエラ戦でソロ本塁打にタイムリーを放つなど、打率・333と上り調子だ。6番は指名打者で左打ちのシュワバー(フィリーズ)。昨年は46本塁打を放って、ナ・リーグ本塁打王に輝き、初戦のイギリス戦では3ランを放っている。指名打者としては、右打ちで21年の球宴ホームランダービーで優勝したアロンソ(メッツ)が座る可能性もある。

 7番は19年に打率・335で首位打者を獲得し、驚異的な身体能力とセンスの高さで有名な二塁手のアンダーソン(ホワイトソックス)。捕手はここまで日替わりスタメンとなっており、順番としてはメジャーナンバーワン捕手と評価が高いリアルミュート(フィリーズ)が8番で先発出場しそうで、今大会は打率・625と絶好調。9番には準々決勝のベネズエラ戦で起死回生の逆転満塁弾を放ち、準決勝のキューバ戦でもソロ、3ランを放つなど、今大会6試合で4本塁打、10打点と手がつけられないターナーが構える。

 全6試合で49得点。1試合平均8得点を超え、10本塁打と長打力も兼ね備えた超強力打線を日本投手陣がいかに抑え込めるかがカギになる。

 投手ではメジャー通算123勝のリン(ホワイトソックス)が準々決勝で58球、準決勝では通算195勝右腕のウェインライト(カージナルス)が64球、元巨人のマイコラス(カージナルス)も77球を投げており、50球以上で中4日以上を空けなければならないという球数規定により、21日の日本戦には登板できない。

 日本戦の先発については、デローサ監督が「これからもう少し話し合うけど、メリル・ケリーの日になりそうだね」と話している。34歳でメジャー通算36勝右腕のケリー(ダイヤモンドバックス)は、1次リーグのコロンビア戦に先発して3回4安打2死球2失点で防御率6・00。昨季はリーグ最多の33試合に先発して、13勝8敗の防御率3・37。200回1/3を投げて被安打167、61四球、177奪三振。直球の平均球速は145キロ前後で、同じ速度で沈むシンカー、カットボール、カーブ、チェンジアップを投げ分ける投手だ。

 投手陣は全6試合で25失点。平均失点は1試合4点強だが、メキシコ戦で11失点、準々決勝のベネズエラ戦でも7失点するなど、付け込む隙は十分にある。だが、救援陣は強力で、通算77セーブのプレスリー(アストロズ)、ウィリアムズ(ブルワーズ)、アダム(レイズ)の右腕3人衆が3試合に登板して防御率0・00をマークしており、ゲームメークする能力に長けている。

 過去のWBCでは第1回大会の2次リーグで対戦し、3-4で敗戦。同点の八回1死満塁から岩村明憲の左飛が勝ち越し犠飛になったと思われたが、三走・西岡剛のタッチアップが早かったとして、デービッド球審がアウトに判定を覆した。これに王貞治監督が左手を回しながら異議を唱えたシーンは今も記憶に新しい。最後は藤川球児がA・ロッドにサヨナラの中前適時打を浴びた。

 第2回大会は準決勝でぶつかり、9-4で快勝。1点を追った四回に岩村、中島宏之、川崎宗則の適時打などで一挙5点を奪って逆転。先発の松坂大輔が五回途中2失点と粘り、最後はダルビッシュ有が締めた。

 第4回大会でも準決勝で対戦。1点ビハインドの六回に菊池涼介の本塁打で同点としたが、八回1死二、三塁からの三ゴロを松田宣浩がジャッグル(記録は三ゴロ)する間に三走が生還。雨が断続的に降り続く中、泣くに泣けないシーンとなった。

 お互いに史上最強メンバーが集結した頂上決戦。世界一の称号を勝ち取るのは日本か、米国か。まばたきする時間も惜しまれる豪華メンバーによる国の威信をかけた戦いが始まる。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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