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【野球】巨人・丸よ、不振の原因“ヒエラルキー”をはねのけ、逆転Vの起爆剤となれ!

 巨人・丸佳浩外野手(32)よ、不振の原因のひとつ“ヒエラルキー”をはねのけ、逆転Vの起爆剤となれ!

 丸は2017、18年と連続でセ・リーグMVPを獲得。広島時代の2006年から昨季にかけて個人リーグ5連覇を達成した球界を代表する左打者である。だが、今季は移籍後初めて2軍降格も味わうなど不振にあえぎ、24日から始まる阪神3連戦前までの成績は94試合に出場して打率・247、16本塁打、42打点。規定打席にさえも届いていない。

 4月3日に新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けたことで、翌4日に「感染症拡大防止特例2021」の適用選手として出場選手登録を抹消された。その出遅れが不振の要因のひとつだろうが、忘れてはならないのが丸の置かれている立場である。最近のはやりの言葉でいえば、ヒエラルキーの存在は無視できない。

 ヒエラルキーとは階層制や階級制のことで、ピラミッド型の段階的組織構造のことを指している。一般企業でもそうだが、同業他社から移籍した“外様”への周囲の風当たりは、新人時代からその企業で育てられた“生え抜き”と比べて強い。即戦力としてそれなりの待遇や給料が保証されているのだから当たり前のことだろう。

 実力がすべてのプロ野球では、その傾向は顕著である。私は野球記者として7球団を担当してきたが、生え抜きのOBが歴代の監督を務める巨人は特にそうだろう。巨人のライバル球団、阪神でさえも球団を変革しようと故野村克也氏や故星野仙一氏を招聘(しょうへい)した。だが、巨人は1947(昭和22)年に就任した故三原修監督以降の全監督は、一人の例外もなく現役時代の選手生活を巨人一筋で終えた人間ばかりである。

 私はこの巨人のヒエラルキーを全否定しているわけではない。12球団一の人気球団である巨人でプレーをし続ける重圧は並大抵ではない。広島担当時代、こんな話を聞いた。広島の選手が東京遠征の際、あるカラオケのある飲食店で巨人の選手たちと遭遇したという。カラオケで盛り上がる広島の選手たちをみて、巨人のある主力選手が「東京では広島の選手たちはあまり顔が知られていないから、騒げていいですよね。僕らはどこへ行っても顔が知られているから騒げない」と言ったらしい。巨人の主力選手は、グラウンド以外でも常に重圧にさらされているということである。

 5年契約で巨人に加入して3年目。今季は推定年俸4億5000万円でプレーする丸だが、過去2年のような成績ならそれほど重圧は感じないかもしれない。だが、年齢的に持っている力が下降線をたどり始めたり、調子が上がらないときは、重圧から悪循環に陥っても不思議ではない。

 “ヒエラルキー”があることを承知でFA移籍したのだろう。だが、丸には、まだまだそれをはねのける力があるはずだ。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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