【野球】西武・栗山2千安打で思い出す落合が入会拒否した名球会 大谷はどうなる

 ボードと花束を手に笑顔を見せる西武・栗山巧=楽天生命パーク(2021年9月4日)
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 西武・栗山巧(38)の通算2000安打達成でクローズアップされる、あの落合博満(67)が入会拒否した名球会。エンゼルスの大谷翔平(27)をどうするのか。特例の“大谷枠”の議論だけでも始めてほしい。

 レオ戦士・栗山が、4日の楽天戦で史上54人目の2000安打を達成した。これで、「一般社団法人日本プロ野球名球会」(名球会)への入会資格を得たことになる。名球会は1978年7月24日に設立された法人格を持つ団体で、「野球振興」と「社会貢献」に積極的に取り組んでいる。紆余(うよ)曲折はあったが、2014年に今の体制となりミスター赤ヘル、山本浩二(74)が理事長を務めている。

 当初は投手で通算200勝以上、打者では通算2000本安打を達成した昭和生まれの選手のみ入会が許された。だが、現在は昭和以降の生まれで、NPBでの記録をスタート地点にし、日米通算で200勝以上、250セーブ以上、通算2000安打でも入会資格が与えられるようになった。

 さらに、2019年12月には入会資格を満たしていない選手でも、理事会の推薦を受けて、総会で会員の4分の3以上の承認が得られれば「特別枠」として入会が認められるようになったのである。

 現在は物故した名誉会員10人、投手16人、栗山を入れて野手48人が名前を連ねているが、投手2人、野手2人が諸事情から除籍や退会。また、日米通算で2097安打を記録しながら、広島在籍の安打数がわずか2本しかないアルフォンソ・ソリアーノ(45)の入会は棚上げになっている。

 有資格者で「名球会を目指してやってきたわけではない」などの理由で、当初から名球会入りを辞退した選手がひとりだけいる。あの落合博満である。私が巨人担当キャップをしていた95年4月15日、東京ドームでの阪神戦で久保康生(63)から本塁打を放ち、当時史上27人目の2000安打を達成した。41歳4カ月での達成は当時の最年長記録(現在は谷繁元信=(50)=の42歳11カ月)だ。

 このとき、私は奇妙な光景を目の当たりにした。それまで、記録達成時には名球会会員が現場を訪れ、会員が着るブレザーを着せるのが恒例の儀式だった。だが、この日に限っては行われなかったからである。私より数倍優秀な後輩の落合番記者が「名球会入りを辞退する」というニュース記事を書いていたが、やはり何か物足りなさを感じた。

 ここで気の早い話だが大谷はどうなるのだろうか。大谷の通算成績は現地9月5日終了時点で、打者として647安打(日本351安打、MLB296安打)、投手として55勝つ(日本42勝、MLB13勝)である。27歳という年齢を考慮すれば、二刀流を続けていく限り、2000本か200勝に到達するのは難しいかもしれない。だが、今年の活躍だけを考えても球史に残る選手である。“大谷枠”の議論だけでも進めたほうがいい、と思う。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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