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【野球】ヘッスラはありか、なしか?相次いだ故障離脱…メリットとデメリットは

 巨人・坂本勇人内野手(32)とDeNA・倉本寿彦内野手(29)が、ともに9日の試合で負傷交代した。坂本は一塁走者として手から帰塁した際に、倉本は打者走者として一塁にヘッドスライディングした際に手を負傷した。

 坂本はヤクルト戦の五回、捕手からのけん制球にヘッドスライディングで一塁に帰塁した際、右手親指末節骨を骨折した。

 プロ野球では一般的に塁に出た場合、打撃用の革手袋よりも分厚い走塁用の革手袋に替える。リレーのバトンのように、何かを握った方が力を出しやすい選手は手袋を装着せず、握ったままプレーする。だがこの場合、ヘッドスライディングで帰塁した際に、拳を握った状態であるため、ベースにタッチするまでの距離が遠くなるというデメリットがある。その一方、固定されたベースに勢い余って突き指するリスクは少ない。

 坂本は手袋を装着していたが、捕手からのけん制球に少なからず不意を突かれる形になった点、滑り込んだ際の手とベースとの距離が詰まりすぎた点、瞬時に帰塁した勢いも重なって、最悪の診断結果が下ることになった。

 元阪神野手チーフコーチで、広島とオリックスでも走塁コーチを務めたデイリースポーツ評論家の岡義朗氏(67)は、手袋をした場合の帰塁時は「ベースに触る直前に指を上方向にそらすことが大事。そうすれば突き指するリスクを減らすことができる。手のひら、指の腹でベースをタッチする形だね」と指摘する。

 ただ「昔は、一塁走者は3・2メートルのリードが取れていれば盗塁できるセーフティーな距離とされていた。でも、今は投手のけん制がうまくなって、クイックモーションの高速化も進んでいるから、10センチでも、15センチでも二塁に近づいておきたくなる。必然的に手から帰塁するケースは増えているから、一概に坂本を責められないよね」とも補足した。

 一方、倉本は阪神戦の初回、二ゴロを放って一塁にヘッドスライディングした際、左薬指の第2関節脱臼、中節骨剥離骨折の重傷を負った。

 このプレーに関して岡氏は「実を言うと、ヘッドスライディングするとスピードが落ちるケースが多いんだよね。ケガをするリスクも伴うし。ただ、勢いがあるから、セーフに見えやすいという利点が昔はあったんだよ」とした。ただ、2018年からリクエスト制度が導入されており、印象度で審判の目をごまかせたとしても、映像でアウト、セーフが正確にジャッジされるだけに、一塁へのヘッドスライディングを禁止する球団もある。

 しかし、岡氏は打者走者の一塁へのヘッドスライディングが有形無形の産物となる場合があるとも言った。

 「特にチームが不調の時ね。いつもはそういうことをしない主力選手がそういった姿を見せることで、ほかの選手を鼓舞するケースは昔もあったし、今もあるね」

 ケガ→長期離脱のリスクを考えれば、打者走者の一塁へのヘッスラは避けた方が賢明なのは疑いようのないところ。だが、阪神・亀山努、オリックス、阪神で活躍した平野恵一に代表されるように、ヘッスラが球場を沸かせたのも事実で、肯定も否定もしがたい悩ましいところだ。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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