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【野球】異例スタイルの高校野球交流試合 柔軟さ求められる今後の大会開催のヒントに

 無観客のスタンドに響く手拍子は、これまでの甲子園大会よりもずっと大きく聞こえた。

 17日に閉幕した2020年甲子園高校野球交流試合。センバツ出場の夢を絶たれた32校の球児が、甲子園で1試合限りの熱戦を繰り広げた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため異例尽くしで行われた今大会は、柔軟な大会スタイルという、ひとつのステップになったのではないだろうか。

 入場行進なし、無観客のスタンドでは控え選手と保護者による鳴り物なしの応援。それでも、仲間や家族から送られた拍手はプレーを後押しした。多くの選手は試合後「開催してくださった、支えてくださった方々に感謝したい」と口にし、勝っても負けても涙を流した。春以降、練習や試合ができない状況で、モチベーションを保ってきた選手、指導者たちの努力は計り知れない。

 鹿児島城西・古市龍輝主将は「選手権大会がなくなり、3年生がバラバラになりかけたことがあった。まとめられずに迷惑をかけた」と葛藤の半年を振り返った。大分商・川瀬堅斗主将は「センバツも選手権大会も中止になったが、みんな明るく笑っていてくれてうれしかった。主将として恵まれていた」と仲間に感謝した。

 応援団は入場できなかったが、ブラスバンドの動画生配信など、新しい応援スタイルで試合を盛り上げた。高校生の前向きなアイデアに感心したファンも多いだろう。32校だけでなく地方独自大会の戦いも、困難を乗り越える強い精神力を日本中に示した。

 新型コロナウイルスがいつ収まるかは予測できない。球児の夢である甲子園大会をいかなる状況でも継続するため、日程や大会スタイルに柔軟性を持たせることに今後も議論の余地はあるだろう。

 試合は連日、気温35度を超える中で行われたが、猛暑の大会についても議論されて久しい。主に夏休みを利用して開催される選手権大会や地方大会だが、例えば沖縄大会は以前から、6月に開幕して複数会場で土日に試合を組むなどしている。

 今年の地方独自大会や交流試合が、来年以降の大会運営のアイデアとして生かされれば。半年間の悔しさを封じ、最後の夏を戦った3年生の足跡に大きな意味が出てくるだろう。(デイリースポーツ・中野裕美子)

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