【スポーツ】女子ゴルフがいよいよ開幕 新スイングで臨む賞金女王・鈴木愛の勝算は?

 女子ゴルフの2020-21年シーズンがいよいよアース・モンダミンカップ(25~28日、千葉・カメリアヒルズCC)で開幕する。注目は昨年賞金女王の・鈴木愛(26)=セールスフォース。オフにスイングを大幅改造し、正確性アップを図った。過去2回賞金女王を獲得した実績あるスイングにあえて手を加え、開幕戦でいきなりの優勝を狙う。

 17、19年に賞金女王に輝いたスイングにこのオフ改造を試みた。昨季までの鈴木のスイングは体がテークバックでは右に、フォローサイドでは左に大きく揺れるのが特徴だったが、改造ではその揺れを可能な限り押さえたものを目指した。

 「オフにスイングを大幅にチェンジした。私はテークバックで右に動くスイングだったけど、それを減らしました。横に動くスイングではなくなったので、球の曲がり幅は大きく減るはずです」

 昨年のデータを振り返ってみよう。ドライバーショットの精度を示すフェアウエーキープ率は68・6067で37位、平均飛距離を示すドライビングディスタンスは242・69ヤードで25位。アイアンショットの正確性を示すパーオン率は70・5075で26位だった。いずれの数字も決して悪くはないが、賞金女王としてはもの足りない。逆の見方をすれば、スイング改造でショットの精度が上がれば、まだまだ伸びしろがあるわけだ。

 本紙ゴルフ企画面「ゴルスペ」で「女子プロここがすごい!!」を連載しているプロコーチの大西翔太氏に見解を聞いた。

 「去年までの愛ちゃんは右から左への体重移動をエネルギーに変えていた。これはパワーがない人、例えばジュニア選手がやるスイングだった。愛ちゃんはこのオフは週に3回は欠かさず筋力トレーニングをしたと聞いています。その成果もあって、大きな体重移動を必要としないスイングを身につけることができたのでしょう」

 狙いはショットの精度向上。過去にテークバックで右に大きく動きながらも正確無比のショットを放った選手としては樋口久子(74)=日本女子プロゴルフ協会相談役=がいるが、希代の天才だからこその技。大西氏は一般的には左右への体の動きが小さくなれば精度は確実に増すという。

 「左右の体重移動が大きいとスイング軸がぶれやすいので、球が曲がる危険性は高まります。新スイングはこれを抑えて精度を上げようというもの。体重移動を小さくして軸がぶれなくなれば、ミート率が高まりますから、飛距離を落とさずに方向性を高めることができます。インパクトの入射角も一定になるので、球の高さもそろうようになる。間違いなくショットの精度は上がるでしょう」

 スイング改造には時間を要するものだが、開幕が遅れた今季は意に反して長い“オフ”となったのもしっかりと新スイングを身につけるのに幸いした。ツアーNo.1のパッティングに精度を増したショットがあればまさに鬼に金棒。2020-21シーズンも鈴木が賞金女王争いの中心となるのは間違いない。

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