【野球】六畳一間同部屋から遠い存在に 巨人・小林先輩との再会
巨人・小林誠司捕手(30)と8年ぶりに“再会”した。年が明け、新担当として通い始めた川崎市のジャイアンツ球場。肌を刺すような寒さの中、ニット帽に半袖Tシャツ姿で現れた先輩に少々の疑問を抱きながら…。力強く握手を交わした。
記者は誠司さんの同志社大野球部時代の一学年後輩。同部の寮では六畳一間の一室で共同生活を行い、多くの時間を共に過ごした。
忘れられない出来事も多々あるが、一つ挙げると真冬の夜の自主練習時に計測した147キロ。誠司さんから「(スピード)ガン持ってや」と言われ捕手の後方で構えると、18・44メートル先のマウンドから地を這(は)うような快速球が伸びてきた。
高校入学当初は投手だったというが、明らかに次元が違う。試合中の二塁送球時のスピードがほっともっとフィールド神戸の電光掲示板に表示されたこともあり、その時は139キロの“キャノン砲”で楽々アウトにした。
昨季は12球団トップの盗塁阻止率・419でリーグ優勝に貢献。11月に開催された国際大会「プレミア12」では、野球日本代表「侍ジャパン」の一員として世界一に輝いた。しかし、満足感はない。シーズンは92試合の出場にとどまり打率・244、2本塁打、19打点。正捕手奪取へ炭谷、大城らとの激しい競争が間もなく始まる。
「いよいよ(キャンプが)始まるという感じです。ここまで順調ですね。初日から全力でいけると思います」
プロ7年目、6月には31歳を迎える2020年シーズン。大学を卒業してから月日は流れ、気づけばだいぶ遠い存在になってしまったが、再び野球のグラウンドで会えたことを幸せに感じ、記者も日々精進していきたい。
(デイリースポーツ・中野雄太)