【野球】神里進化の秘密 DeNAが昨秋から取り入れたハイテク機器
リードオフマンとして強力打線をけん引しているDeNA・神里和毅外野手(25)。打率・308、6本塁打、22打点と結果を残している要因の一つに、チームが昨年秋から取り入れたハイテク機器「ブラストモーション」の存在があった。
ブラストモーションとは、バットのグリップエンドに装着する機器で、スイングスピードなどが測定でき、そのデータをタブレットで確認できるというもの。その測定項目の一つに「オンプレーン」と呼ばれるものがあり、これは「ボールを点ではなく、線で捉えられているかどうかの数値」だと言う。
打率、本塁打の数字以上に、神里の打撃には力強さを感じる。二塁打は25本で中日・高橋と並びセ・リーグトップ。いかに強い打球を数多く外野まで運んでいるかがわかる。
昨年までバットのヘッドを立てて構えていたが、今季は最初から寝かせている。ラミレス監督は「それはなぜかと言うと、ブラストモーションのオンプレーンという数値がよく出るように」と説明した。
オンプレーンは最高が100%で、そこにより近づくスイングを模索していくうちに現在の形にたどり着いた。データ分析のスペシャリストである壁谷周介チーム戦略部長は、「いい選手は70後半くらいの数値。(神里は)だいたいそんな感じです」と説明した。
オンプレーンスイング、つまり線で球を捉えるスイングだと、ゴロやフライになる確率が減り、レベルスイングで鋭いライナーを打てる。レベルスイングを意識し過ぎた場合、体の開きが早くなることもあるが、神里はバットの出し方を「ゴルフスイングみたいな感じ」にすることで開きを抑えていると言う。2年目の若武者が、データの力を参考に急成長を遂げている。(デイリースポーツ・山本航己)