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【スポーツ】育成にもイニエスタ効果が着々“バルサ化”進めるJ1神戸の取り組み

 J1神戸は昨季からスペインの名門バルセロナをモデルに掲げ、改革を推し進めている。昨夏に元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)を獲得したことで流れは加速し、その波及効果は育成部門(アカデミー)にも及んでいる。

 神戸U-18は3月8日から15日までバルセロナ遠征を行った。今回で5度目の実施だが、その内容は例年になく濃いものとなった。現地で練習試合を4試合消化し、バルセロナの本拠地カンプ・ノウでリーグ戦を観戦。さらにDFピケやFWコウチーニョら世界的名手と交流し、育成組織(カンテラ)の選手寮「ラ・マシア」を見学する機会にも恵まれた。

 これらは昨夏にアカデミー部門のアドバイザーとして招聘されたアルベルト・ベナイジェス氏(64)らスペイン人スタッフの尽力によるところが大きい。イニエスタを見いだした人物としても知られるベナイジェス氏は、バルセロナで21年間にわたって育成部門の要職を担ってきた。イニエスタの要請もあって神戸入り。今もバルセロナと太いパイプを持っている。

 アカデミー部長兼スカウト部長を務める平野孝氏(44)は「前回の遠征とは全く(バルセロナ側の)対応が違ったという話を聞いた」と明かし、「一番大きいのはバルセロナと(神戸の親会社の)楽天が提携関係にあることだが、イニエスタやアルベルト(ベナイジェス)の繋がりで、いろんな物事が円滑に進んだ」と“イニエスタ効果”に実感を込めた。

 平野氏は「一流の選手、環境に肌で触れるというのは大切なこと」と、遠征の意義を強調する。海外クラブとの対戦で「世界における自分の現在地を知れるのは大きなこと。それがゆくゆくはプロ選手として世界で戦う上で生きていく」とも語った。バルセロナ下部組織との練習試合は「バルサTV」によって日本にネット配信され、神戸U-18の選手にとっても大きな刺激となった。また、今回の遠征では育成部門のスタッフがアカデミー運営に関する講習も受けたといい、スタッフにとっても学びの多い遠征となった。

 遠征に参加した神戸U-18主将のMF山内翔(17)は「ヴィッセルにいたからこそできた経験。本当にありたがい」と話し、FW小田裕太郎(17)も「いい機会を作ってもらって感謝しています」と頭を下げた。カンプ・ノウでFWメッシらのプレーを目の当たりした山内は「自分がプレーしたらどうなるかと考えながら見た。まだまだ遠いですが、自分もあそこでプレーできたらいいなと強く思った」と、向上心をかき立てられた。「ラ・マシア」では睡眠時間を確保するため夜11時以降Wi-Fiが切られ、携帯電話の使用が制限されることなどを知り、小田は「もっと一日一日を意識高くやっていかないといけない」と発奮した。彼らの言葉は「目の輝きが違った」という平野氏の言葉を実証している。

 貴重な経験を得たバルセロナ遠征。例年はユース年代のみの実施だか、「早ければ早いほどいい」と考える平野氏はU-15、U-12といった全てのカテゴリーでの遠征を計画しているという。日の当たるトップチームだけではなく、“バルサ化”の種は育成部門にも着実に蒔かれている。

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