【野球】エンゼルス大谷 「○○できない」時こそ発揮する驚異的な能力

 メジャー1年目で新人王を受賞し、帰国したエンゼルス・大谷翔平投手。10月に右肘内側側副靱帯の再建術(トミー・ジョン手術)を受け、来季は打者一本で過ごすことが有力。二刀流として世界一を目指す大谷にとって、投げられない歯がゆさを感じているだろう。そういう時こそ、驚異的な力を発揮するのが大谷翔平と日本ハム時代の活躍を見て思う。

 大谷は簡潔に言うと、時間を有効に使える選手だ。右足首を痛めリハビリに費やした日本ハム時代の17年開幕前「右足首は動かさなくてもできることはある」と、黙々と動かせる上半身や体幹トレをこなし、開幕戦から打者出場にこぎ着けた。

 先日の帰国会見。術後の練習メニューについても日本ハム時代と同じようなことを言っていた。「ランニングを含めた有酸素系のトレーニングと下半身のトレーニングもできる。体幹のトレーニングもできますし、右腕を使わないトレーニングに関しては出来る状態。今は次のステップに順調に進めるようにやっていきたいなという感じだと思います」と前向きに話していた。現在、右肘をほぼ使えない状態の中、黙々とできるリハビリをこなす姿は当時とかぶる。今は体幹や下半身を鍛え来季へ向けて牙を研いでいる。

 日本ラストシーズンの17年は、開幕直後から投げられないもどかしさをバットにぶつけているようにも見えた。4月8日に左太もも肉離れを起こして離脱するまでの間、打率・407、2本塁打の成績だった。16年にも右手のマメの影響で7月10日の先発から9月7日に先発復帰するまでの間、中継ぎで1度登板した以外、野手で出場。最大11・5差をひっくり返しての大逆転優勝に貢献した。投げない時の打撃は何か別のスイッチが入るとでも言うべきか。

 メジャー1年目は投手として4勝2敗、防御率3・31。打者としては打率・285、22本塁打、61打点。10盗塁。「もちろん満足していない。(目標の)数字はないですけど、ポストシーズンにはいきたいと思っている」と、理想の高い男は今季の成績以上に来季は残すと意気込む。

 尊敬してやまないチームメートのトラウトとともに長距離砲として君臨する。ポストシーズン出場に貢献する活躍をみせ、打者としてさらなるブレークを遂げるのではないかと、予感させるのである。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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