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【野球】プロ16年目の1億円プレーヤーが…晩秋の特守に見たヤクルト坂口のプロ意識

 秋季練習で特守に励むヤクルト・坂口
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 新鮮な驚きがあった。21日まで行われたヤクルトの秋季練習。キャンプ参加を免除されたベテランやリハビリ組が主な顔ぶれだ。全体のメニューを終えると連日、坂口が当たり前のようにサブグラウンドで特守に励んでいた。今季も打率・317の成績を残したプロ16年目の1億円プレーヤーが、だ。

 坂口ほどのキャリアがある選手では、なかなか秋季練習で見かけない光景。驚きを伝えると、笑いながら「一塁はド素人なんでね」と返ってきた。1月末に青木の古巣復帰が決まったチーム事情から、直後の今春キャンプから小川監督の要望に応えて自身初の一塁に挑戦。結果的に今季は、チーム最多の94試合に一塁でスタメン出場した。

 新たなポジションで奮闘した1年を終えて迎える今オフ。守備力向上は当然のテーマとしたうえで「(守備練習の)数をこなすことは絶対必要。下半身の使い方が全然違うと痛感した。内野は体勢を低くしたまま、動かないといけない。打撃なら(オフに)何かを試そうとか思いますけど、そんなレベルじゃない。3カ月しかないですから。時間がない」と捉えていた。

 外野では08年から4年連続ゴールデングラブを獲得した名手。今季は初めての内野に苦戦して取り組みながら、8年ぶりの打率3割。トップバッターとして十二分の働きをした。いい意味で“余裕”があると思っていたのだが、想像と違った。

 「怖さしかない。楽しいと思ったことはないですね。初めてなので、怖さは2倍だった」。一塁守備に関しての坂口の感想だ。新たな持ち場でチームに貢献しても、これまでと異なる楽しさなどはない。「試合自体の怖さもある。打撃でも外野でも、楽しいと思ったことはないです」。その答えを聞いた時、晩秋のグラウンドで若手のように課題に取り組む姿が、すとんと腑(ふ)に落ちた。

 好結果が出たとしても現状に満足せず、練習で自分と向き合って心技体を日々磨き上げていく。プロなら当たり前のことかもしれないが、実績を残してもなおそれができるからこそ、長く一流であり続けられるのだろう。

 坂口の真摯(しんし)な姿勢はもちろん、チームメートや首脳陣、球団関係者から一目置かれている。「1つのミスで試合を壊したこともある。(一塁守備は)迷惑をかけないぐらいに、『ちょっとはうまくなったな』と言われるぐらいにはなりたい」。一塁でも、外野でも、言うまでもなく打線でも、プロ17年目を迎えるベテランが、来季もチームに不可欠な存在であることは間違いない。(デイリースポーツ・藤田昌央)

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