【野球】榎田大樹、阪神ファンに負けない西武ファンの熱い声援が力になった

 リリーフとして活躍していた阪神入団時の輝きを取り戻した。今年の3月、トレードで埼玉西武ライオンズに移籍した榎田大樹。キャリアハイとなる11勝(4敗)を挙げ、優勝に貢献した。投手力の整備が課題だった西武で、多和田、エース菊池に次ぐ11勝を挙げ先発の3本柱というべき活躍をみせた。もし、榎田が入団していなかったら今年の西武の優勝はあっただろうか。レオ投を救う“獅子”奮迅の働きだった。

 阪神から新天地へ。「不安はありましたけど、チャンスをもらえたと思ったので、どっちかというとプラスに捉えていました」。

 阪神球団に感謝のトレードだったと明かす。当初はトレードで出され、マイナスイメージを持っていたというが、なぜプラス思考になったのか。当時を振り返る。「監督、コーチにあいさつへ行った時には首脳陣の方にもフロントの人にも『お前のことを考えてトレードに出すんだから頑張ってこいよ』と言われたんです。建前かもしれないけど、すごい前向きにトレードというものを受けとめて、やってこられたので、それでこういう結果につながっているのかなと」。

 昨年はわずか3試合の登板にとどまった。戦力外もあるのではと不安にかられていた日々を過ごしたという。環境が変われば、かつての活躍を取り戻せるのではないかと、働き場を探してくれた阪神の親心トレードと受け取った。「人柄も含めて頑張ってきてほしいと言われたので、そう言われるとライオンズで頑張ろうと思えました。精神的にはいい方向に働いたのかなと」。

 甲子園の阪神ファンの熱い声援は忘れられないというが、西武ファンも阪神ファンに負けないほどの熱狂的な応援が力になった。「球場での声援の大きさは阪神ファンとそれほど変わりはないですよ。今年は西武電車に乗っていたら西武ファンの方にも『頑張ってください』って声をかけられることもありますし。ファンの方々の応援がありがたかった」。関西に負けないほどの、スポーツの盛んな埼玉県気質の熱い声援を味方につけた。

 これまでの中継ぎから先発に転向し粘りの投球でリズムをつくり打線の援護にも恵まれ自身初の2桁勝利を飾った。「僕的に11勝できたこともうれしいですけど、4敗しかしなかったということの方がうれしいんです。打線が打ってくれたこともあるんですけど、ある程度ゲームをつくれたからこそ負けがつかなかったのかなと」。

 新天地でカムバックした左腕。今年の交流戦、阪神戦で勝ち星を飾った左腕は来季も古巣に恩返しを果たした。今CSファイナルSでは先発に抜てきされるもチームは敗れた。来季は今年成し得なかった日本一の力になることを目標に来季へと歩みを進める。(デイリースポーツ・水足丈夫)

 

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