【野球】東大卒の日本ハム・宮台に芽生えたプロ意識…23日初先発へ

 日本ハムのドラフト7位・宮台康平投手(23)=東大=が、23日・ソフトバンク戦(東京ドーム)でプロ初登板初先発に臨む。目指すのは1967年の井手峻(中日)以来、同大学出身で51年ぶりの勝利投手。千葉・鎌ケ谷の2軍施設で積み上げてきた努力を信じて、歴史に名を刻む。

 史上6人目の東大出身選手としてプロの門をたたき、約10カ月。今春2月の2軍キャンプ中に腰を痛め、出鼻をくじかれたことでプロ意識が芽生えた。「ケガなく、1年間投げ抜くことが難しいと思いました。今までで初めての経験なので、そこに適用できるようにするのが課題です」。実戦登板と基礎トレーニングを並行して取り組み、土台を築いた。

 プロの打者と対戦して痛感するのは「ミスショットが少ないというか、甘い球を確実に捉えてくる」と宮台。印象に残る試合は、細谷に2打席連発を食らった7月26日のイースタン・ロッテ戦(鎌ケ谷)。「甘い球もありましたけど、決め球も打たれたので、レベルが高いなと思いました。配球の幅も広げていかないと絞られるので、いろんな引き出しを持って投げないと2巡目、3巡目となった時に苦しくなってしまう」と記憶に刻まれた。

 2軍戦はここまで12試合に登板して3勝1敗、防御率4・97。38イニングで22失点という数字に満足感はないが「いい時の感覚はあります」と成長のヒントは得ている。「菊池さん(西武)の動画を見ています。ボールが速いので、すごい魅力的だなと。何かを学ぶというか、こうやって腕を強く振るんだという感じです」。打者に向かっていく姿勢も、球界を代表する快速左腕から吸収している。

 8月18日、メットライフドームの1軍本隊に初めて合流した。ブルペンに入り、栗山監督が見守る前で変化球を交えながら33球を投じた。「チームが優勝を狙っている中なので、プレッシャーはあります。でも、やれることは変わらない。精いっぱいやりたいです」

 千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に入寮して約7カ月半。「何か見たい時はロビーで見るので」と自室にテレビはない。「学生時代みたいな勉強はしていませんよ」と笑うが、練習が終わればトレーニング本を読みあさる日々だ。六法全書を「僕のアイデンティティー」と話していた青年が、プロ野球選手として大きな一歩を踏み出す。間もなく、夢への扉が開く。(デイリースポーツ・中野雄太)

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