【野球】オリックス近藤大亮が誤審弾から得たもの

 7月27日、NPBの斉藤惇コミッショナーは誤審があった場面からの試合続行を要望してコミッショナーに裁定を求めていたオリックスからの提訴を受理しないと発表した。

 オリックスはこれを受け入れ、1つの事件は終わりを告げた。だが、本当に納得できるものなのだろうか。

 あらためて、その内容を振り返ってみる。6月22日のオリックス-ソフトバンク10回戦の延長十回に中村晃が右翼ポール際に放った打球は一度はファウルと判定されながらもリプレー検証の結果誤って本塁打と判定され、試合後に審判団が誤審を認めた。

 “誤審弾”により、チームは敗戦。打たれた?近藤大亮投手には黒星とともに自責点2という記録が残った。

 本人は「やっぱり悔しいですよ。2点と負け1。リリーフ投手にとっては重いです。でもあの試合から考え方が変わりました。僕にとっては野球人生のターニングポイントになったのかも知れません」と話す。

 ターニングポイント-。あの試合の次の登板から12試合連続無失点に抑えた。意地を見せた格好だが、そうではないという。

 「それは結果ですね。あの試合を振り返ってみると、ファウルですけど(中村晃に)あそこまで飛ばされているわけです。それはまっすぐ1本の配球に原因があると考えました。何かを変えないとこのままこの世界でやっていけないと思いました」

 近藤の持ち味はストレート。球速ではなく回転数が飛び抜けている。140キロ台後半なら2300回転程度が平均だが、近藤は2750回転を記録したこともある。つまり並外れた球の伸びが特長。真っ向勝負が信条だった。

 しかし、プロ3年目の今季は安定感を欠きセットアッパーの地位をはく奪されていた。そこへ誤審弾。目指すべき場所が見えたという。

 「すべてを見直しました。投球フォームのバランス、変化球。ストレートを生かすボールを覚えようと思いました。とにかく練習しました」

 持ち球だったスライダー、フォークの精度アップを目指した。金子らチームメートにも助言を求めた。登板ごとに成果は現れ、まっすぐ一本やりから変化球も交えたコンビネーションで打ち取るスタイルに変わっていった。それまで1イニングで20球を軽く超えていた球数はついに一桁で終わらせられるようにまでなった。

 本人は「もう変化球投手ですよ」と自虐的に笑う。そこに誤審弾がもたらせたであろう陰は見られない。納得できないといつまでも引きずっているこちらをよそに当事者は前へ進んでいた。

 理不尽とも思える逆境でさえも踏み台にして成長への糧にする。近藤の強さを見た気がする。(デイリースポーツ・達野淳司)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス