【野球】オリックス 1986年勇者と酷似する二塁手争い

 オリックスの二塁手が決まらない。今季、二塁で先発した選手は、開幕戦のドラフト8位・山足達也内野手(ホンダ鈴鹿)の10試合に始まり3年目の大城滉二内野手が22試合、ドラフト3位・福田周平内野手(NTT東日本)が10試合と3人(21日現在)が日替わりのようにスタメンに名を連ねる。

 と、書けば悪いことのように思えるが、そうは思わない。3人、いや新たな“参加者”が現れるかもしれないので人数は関係ない。一つのポジションを何人もの選手が争う。その競争こそが、チームが強くなる過程と見るからだ。

 就任3年目の福良淳一監督は繰り返し「今年は高いレベルの競争ができる」と期待感を持って話してきた。過去2年は編成におけるポジションのバランスが悪かった。一塁、指名打者の候補がだぶつく一方で二遊間や先発投手など頭数の足りないポジションが多数あったからだ。

 競争がチームを強くする。これは指揮官自身の経験に基づいている。それは1986年のことだ。

 「何回もチャンスもらったけど、取れんかった。3回目やったか4回目やったかでやっと打ててそこから続けて使ってもらえるようになった」

 当時、プロ2年目の二塁手。開幕戦は俊足の岩本好広に奪われた。ところが、岩本が打撃不振に見舞われると、9試合目にして先発のチャンスが巡ってきたが結果を残せず。次は守備のいい福原峰夫へと移っていく。3人が3人ともスタメンのチャンスを得ながら決め手を欠いた。その中で、5月中旬にようやく結果を残し、定位置を獲得。そのまま打率・309、12本塁打、44打点の好成績を残した。

 これはと思う選手を抜てきし、レギュラーに育てていく方法もある。内野手から外野手に転向したばかりの宗佑磨を『1番・センター』に定着させたのはそれだろう。

 二塁手は競争だ。デビューから11試合連続出塁の山足、強肩が武器の大城、俊足の福田。三者三様の特長は福良監督がポジション争いをした状況に酷似する。

 この競争を勝ち抜いた選手は長くチームを支える選手になってくれるはず。そんな目線で二塁を手にする者が現れるのを楽しみに待っている。(デイリースポーツ・達野淳司)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス