【サッカー】海外でも人気絶大、長友佑都の存在感

 6月に開幕するサッカーのW杯に参加する日本代表は、ベルギー遠征に臨み、マリ代表、ウクライナ代表と対戦して1分け1敗。不安が増長された遠征だったが、当地での取材中にDF長友佑都(ガラタサライ)の人気に触れる機会があった。イタリアの名門インテル・ミラノで7年を過ごし、W杯前にトルコへと新天地を求めた長友は、今でも“インテリスタ”から特別の愛情を受けている。

 ベルギー東部、ワロン地方の中心都市であるリエージュ。日本代表が2試合を戦ったスタジアムは空席が目立っていた。市内から、スタジアムへとタクシー移動した際、運転手の男性に「スタジアムまで」と伝えると「フットボール? ジャパニーズ?」と尋ねられた。そうだと応えると、彼は満面の笑顔を浮かべて言った。「ユート・ナガトーモ!」

 イタリア出身という運転手。こちらの拙い英語に加え、イタリア語とフランス語の単語を交えた会話だったが、彼はすさまじいまでのインテル愛を発していた。「ナガトモは良い選手だ。チェゼーナからインテルに来たが、外国人ながら7年もインテルでプレーした。オレはイタリアに住んでいた時、インテルのゴール裏にいるサポーターだった。彼は今、トルコに移籍したが、夏にまたインテルに戻ってくることを期待しているよ」。助手席に座っていた記者に対して、目線を送りながら興奮気味に話す。しまいには両手を振り上げながら、インテル時代の長友の“チャント”(応援歌)まで歌い出す。こちらとしては、まっすぐ前を見て、しっかりとハンドルを握って運転をして欲しかったのだが。

 「ちなみに、日本はリエージュでどこと対戦するんだい?」と尋ねてきた彼に、マリとウクライナと応えた。ウクライナを指揮するのは、世界的なストライカーでもあるアンドリュー・シェフチェンコ監督。だが、インテル愛にあふれたタクシー運転手は「ふん」と鼻を鳴らして吐き捨てた。「ダメだ。アイツは(同じ街のライバルクラブであるAC)ミランだからな。オレにとっては、ナガトモの方がよっぽどスターだ」と笑って見せた。

 最後には「お前はジャーナリストだろ。ならば、オレのところにユートを呼んできてくれないか。タクシーはスタジアムの駐車場に止めておくから呼んできてくれ。2分でいいから、2分で。ユートと少ししゃべって、写真を撮るだけだ。オレはサンシーロ(インテルとミランの本拠地)でも写真を撮れなかったから」とむちゃぶりまでされた。彼の悲願をかなえることは残念ながらできなかったが、あらためて世界的なビッグクラブで7年間プレーした長友の存在感を垣間見た気がした。(デイリースポーツ・松落大樹)

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