【野球】新井2世がNPB再挑戦 大谷と日本ハム同期の宇佐美がトライアウト受験

 野球への情熱が再燃した。10月6日に日本ハムから戦力外通告を受けた宇佐美塁大外野手(23)が、現役引退から一転、合同トライアウト受験を決めた。10月下旬になり千葉・鎌ケ谷で自主練習を再開。黙々とトレーニングに励んでいる。

 宇佐美は大谷世代の5年目。広島工時代は通算45本塁打を放ち高校先輩である広島・新井貴浩級の逸材として評価が高かった。当時は同期入団の大谷とともに、長打力が魅力の野手と期待された。だが、1軍出場機会がなく、チームを去ることになった。戦力外を受けた後、本紙記者に「十分、やりきったので別の道を歩もうと思います。スポーツ関係の仕事に就けたらいいと思っています」と野球への思いを断ち切るように話していた。

 ところがその後の、チームメートとの会食で気持ちが変わった。谷口、松本と食事をともにした時だった。身の振り方の話題になった。その2人からトライアウト受験を勧められた訳ではなかったが6年目で才能が開花し、規定打席に到達した松本の今シーズン中の話を聞き、現役への思いが再び沸いてきた。

 「(松本)剛さんが今年、活躍されているのを見ると、自分も頑張らないといけないと思って。時が立つにつれてやりたいと思ってきました」。23歳という若さもあり、再チャレンジを決めたのだ。

 そんな松本も「僕も自分が今年ダメだったらという話をしていたんです。一緒に失敗も、いっぱいしてきましたからね。あいつが陰で努力をしてきたのも見てますし。僕はトライアウトを勧めた訳ではないですけど、悔いなくやってほしい」と後押しする。

 今季はシーズン中、ケガでの離脱時期もあったが、ファームで65試合の出場で10本塁打。まだまだ、荒削りな部分もあるが、長打力に磨きが増してきた。トライアウトを控え「長打力をアピールしたい」と意気込む。

 今年のトライアウトは広島工3年時に、夏の県大会準決勝、決勝でプレーしたマツダスタジアム。「自分には最高の舞台が用意されていました。今年は、高校時代にプレーしたマツダですから、足もアピールして積極的な走塁もみせたい」。甲子園出場をつかんだ思い出の地で全力を振り絞る。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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