【野球】都立の星 オリックス・鈴木優がブレークしたら… 右膝に着けた練習器具とは
2日から高知市東部総合運動公園野球場で始まったオリックスの秋季キャンプ。最初に目についたのはプロ3年目・鈴木優のブルペンでの投球だった。1年前の同じブルペンではひ弱に見えた姿が見違えた。何よりストレートの迫力が変わっていた。
もう一つ、目を引いたのが右膝に巻かれていたテーピングのようなものだった。どうやら右膝が曲がらないように固定する器具のよう。少しぎこちない動きだったが、力強いボールがミットに投げ込まれていった。見守った福良監督も「ボールの力が出てきた。面白いね」と好印象を持ったようだ。
鈴木優に話を聞いた。
「右膝が折れるクセがあったんです。それを矯正するために小林宏(2軍投手コーチ)さんに教えてもらって、ギプスを付けるようになりました。練習の時は必ず付けてから何球か投げて。それから外して投球するようにしています。これ、阪神の藤川さんも付けてたんです」
今年、このギプスを装着するようになって、ストレートのMAXは5キロアップの152キロまで上がった。平均でも150キロ近くをマークするようになり、打者を力で抑えられるようになったという。
発案者の小林コーチは「酒井(育成コーチ)さんとあの膝をなんとかしたいと話していて、現役時代のことを思い出した。僕も膝が折れるクセがあって、そのときに当時の山口高志コーチにあの器具で直してもらったことがあったから」と話す。すぐに山口氏に連絡を取ったが、手元に器具はなかった。ならばと自腹で取り寄せたという。
「うまくいくかどうかも分からない。だからアイツに払わせるわけにはいかないから」
結果的に成功といえる器具装着。だが、小林コーチはまだまだだという。「ボールの力は出てきたけどコントロールがまだ。ボールを操れていない。あれじゃ1軍じゃ通用しない」と手厳しい。もちろん鈴木優も現状に納得してはいない。「今年は1軍で見てもらう機会がなかったからとにかくアピールするだけです」と必死を強調した。
都立雪谷高校出身。来季1軍で活躍することになれば、都立の星として注目を浴びることになるだろう。その裏に本気で選手の将来を考え、知恵を絞るコーチの存在があることをあらためて知った思いがした。
ちなみに鈴木優はギプスが小林コーチの自腹で購入したモノであることはいまだに知らない。(デイリースポーツ・達野淳司)
