【野球】ヤクルト・ギルメット 来日初先発勝利から2試合連続好投の“遅咲き”助っ人

 来日初先発で“大仕事”を成し遂げた救世主がいた。負ければ1970年以来となるシーズン3度の2桁連敗の危機を救った、ヤクルト来日1年目のプレストン・ギルメット投手(30)だ。

 9連敗で迎えた7日のDeNA戦(横浜)。連敗を知らなかったという右腕は6回2死、桑原に二塁打されるまで無安打投球、許した安打はわずか2本。見事7回無失点で来日初勝利を挙げた。

 今季は救援で24試合に登板。開幕から先発ローテを守ってきたブキャナンの故障により、巡ってきたチャンスだった。「先発はチームの勝利を託されて登板するが、リリーフはタイミングでたまたま勝利が転がる。同じ1勝でも(先発の方が)価値がある」と特別な1勝に酔いしれた。

 陽気という言葉が似合う。「LINEのID教えてくださ~い」などユニーク?な日本語をマスターする助っ人は、日本の流行にも敏感だ。初勝利後の休日を利用し、原宿にある「ロールアイスクリームファクトリー」を訪問。インスタ映えする、と女子の間で話題のお店で、フォトジェニックなアイスを頬張った。

 ただ「陽気」とだけでは語れない一面も。外国人枠の問題で2軍調整が続いた時も「しっかり成績を残せば1軍に上がれると信じていた」と2009年以来の先発転向でも前向きに取り組んだ。

 仲間の存在も大きかった。「日本人選手もそう。成績を残せば上がれるという気持ちが伝わってきた。それもモチベーションになった」と尊敬の念を持ちつつ、しのぎを削りながら好材料とした。

 石井投手コーチは「まさかブキャナンが落ちて先発することになったのは運命だと思うよ。ギルメットのためにもチームのためにも、いい試合だった。明るい材料だよね」とチーム全体に笑顔をもたらした。

 神宮初先発となった14日・中日戦では2勝目とはならなかったものの8回1失点、無四球の好投。「チームのみんなも、環境も良い。特にファンも良くしてくれる」と来季もヤクルトでのプレーを希望。シーズン終盤でこれ以上ない輝きを放った。(デイリースポーツ・疋田有佳里)

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