【野球】虎の佐助・植田海ただいま成長中 お手本は大和と西岡

 才能あふれる若虎が、鳴尾浜で成長を続けている。阪神・植田海内野手(21)だ。忍者で有名な滋賀県甲賀市出身。遊撃を守り、猿飛佐助のような身のこなしで華麗に打球を処理する。両打ち転向2年目を迎え、課題である打撃力に向上の兆しが見えてきた。

 足を生かすため、ルーキーイヤーだった2015年の春季キャンプ終了後からスイッチに挑戦。2016年シーズンから本格転向した。「もう(スイッチ転向して)2年目なんでね」と力強く話すよう、今では実戦で150キロ近い直球も打ち返すことができる。

 7月30日のウエスタン・オリックス戦(丸亀)の試合前のこと。左でフリー打撃を行っていた植田は、右翼に柵越えを放って見せた。打撃投手やチームメートも驚く一発。パンチ力も身についてきた証拠だ。

 昨オフはマシン相手に左打席に立ち、バント練習を重点的に行った。左打席から見る投手の球は、右打席から見る場合と比べて数段速く見える。克服するには目を慣らすしかない。「数とかはあれですけど、(バント練習は)相当やった」と植田。地味な練習を積み重ねることによって、恐怖感や違和感をぬぐい去った。

 そんな植田には手本となる選手がいる。今季から両打ちに転向した大和だ。スピードとテクニックを武器とする背番号0は今季、79試合に出場し、打率・277、1本塁打、12打点(15日時点)の成績を残している。左打席で見せるクリーンヒットは、スイッチ転向1年目だということを感じさせない。

 さらに大和の場合は、左でフリー打撃を行った時、ポンポンと柵越えの打球を放つ。実戦では塁に出るための打撃に徹するとはいえ、身体能力のなせるわざ、そして血のにじむ努力の成果だろうか。

 大和について植田は「僕より(両打ちを)始めるのが遅かったのに…」と苦笑いを浮かべる。大和の両打ちの習得スピードは、両打ち転向の難しさを、身を持って知っている植田から見ても驚異的に映るようだ。

 左足アキレス腱断裂から復活を遂げた西岡にも指導を仰いだ。西岡が2軍で実戦勘の回復に努めている間、試合前に2人でウオーミングアップを行う光景をよく見かけた。「盗塁のこととか、いろいろ教えてもらいました」と植田。その盗塁技術も成長中だ。現在の盗塁数は24個でウエスタン・リーグトップの数字で、昨年の12個から倍増させた。走攻守で伸びしろを感じさせる植田が、1軍昇格を目指して奮闘を続けていく。(デイリースポーツ・山本航己)

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