【野球】4割打者、日本ハム近藤の基礎を築いたKボール

 日本ハム・近藤健介捕手(23)の安打量産が止まらない。6月に入っても4割を維持。どこまで出場試合数の4割台を伸ばすのか。打撃センスを買い、高卒1年目から1軍で起用してきた栗山監督は「近ちゃん(コンチャン)に4割打ってほしいよね。最後に4割でいることが大事だから」と4割打者誕生を期待するほどだ。どこでこれだけの打撃力を身に付けたか、ある経歴に注目してみた。

 昨季こそ左膝痛の影響で打率は・265と低迷したが、今年は膝の状態もよくなり、持っていた打撃の才能を存分に発揮できている。横浜高時代から類いまれな打撃能力は評価されていたが、中学時代は軟式野球部に所属し引退後は、横浜高に上がるまで、KWBボール(通称Kボール)に所属していた。

 このリーグの出身者でプロ入りした選手が多いわけではないが、共通点があった。ソフトバンク・中村晃、楽天・銀次、広島・丸とシーズン150安打以上を放ち、首位打者争いに入る選手など、それほど出身者が多くない中で、ヒット打ち名人が多い。投手では楽天・則本も所属していた。

 このリーグの特徴は使用するボールが硬式とは異なる点だ。硬式球と重量と大きさが同一でありながら、硬式球に近いゴムを素材として使用。死球も硬式球ほど痛さはないという。投げても肩、肘に負担がかからず、軟式から硬式に移行するときの準備期間として、このリーグに参加する選手も多い。中3で近藤はKWBボールの全国大会にも出て横浜高へと進学していた。

 KWB野球連盟事務局長の梅沢直充氏は、近藤の類いまれなミート力は、ここで養われたのではないかと見る。「ボールの素材的にも中学生のパワーでは遠くに飛ばないんです。しっかり芯で捉えるミートポイントを身につけて、スイングスピードがないと、しっかりとした打球、遠くに飛ばす打球を打つことはできないんです。そういう意味でもしっかりとしたスイングを身につける練習になると思います」と言う。

 史上初の4割の期待も膨らむが近藤は「僕の中では(4割)キープとか維持とかはない。1日1本という気持ちで。日々の積み重ねだと思っている」。子どものころから積み上げてきた打力で前人未到の記録は達成されるのか。注目してみたい。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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