【野球】巨人大型補強の裏で…3軍、創設2年目の挑戦

 大型補強を敢行し、3年ぶりの覇権奪還を目指す巨人。宮崎キャンプでは新戦力の陽岱鋼やマギーが力強いスイングを披露し、チームに活気を与えている。その裏で、創設2年目を迎えた3軍はスローガン「野望」を掲げ、ジャイアンツ球場でキャンプインした。

 3軍キャンプは「ザリアツカ」(※)と呼ばれる早朝練習から始まる。ジャイアンツ球場周辺の山道が、鍛錬の場。選手だけでなく川相監督ら首脳陣も参加し、アップダウンの激しい道のりを30分かけてハイペースで歩く。

 DeNAからFAで加入しながら、右肩違和感で3軍にいる山口俊も例外ではない。川相監督は「いつも平たんばかり走るんじゃなくてね。ここは枯れ葉で滑るし、木の根も張っていて足場が悪いけど、足の裏で踏ん張ることがけが防止にもつながる。リハビリ組にとってもここでやる以上、いい鍛錬をして上がっていってもらいたいからね。もう一度、原点に立ち返ってもらいたい」という。

 3軍創設初年度の昨季、川相監督は技術練習やチームプレーに時間を割くことはもちろん、試合前の準備の重要性を浸透させてきた。「自分が現役の頃も朝の散歩から海沿いで声出しをして、練習に備えた。1軍で出るようになっても家のまわりを走ってバットも振って、球場に行ったら最低限の準備だけして試合に出られるようにしていた。3軍はまだ入ってきたばかりの選手もいるからね。集団生活ができるのはこの時期だけしかない。そういうところから教えないと」。13日には宮崎に移動して2次キャンプを行うが、ここでも6時半開始の早朝練習から猛特訓を行う予定だ。

 今年の2軍キャンプには昨年3軍にいた篠原、増田ら育成8選手が参加している。ファーム間の競争は激しさを増しており、川相監督は「ここの選手はまずは2軍、最終的には1軍に上がることを目標に。2軍、1軍にどんどん刺激を与えて押し上げていきたい」と意気込む。常勝球団の構築には若手の台頭は必要不可欠。川相監督の指導のもと、3軍がその礎を築く。(デイリースポーツ・佐藤啓)

 ※「ザリアツカ」はロシア語で充電トレーニングの意味。1964年東京五輪で金メダルを獲得した体操男子日本代表が導入していた。当時体操王国だったソ連(現ロシア)代表チームが、1日に必要な刺激を体に呼び起こすことを目的に、朝起きた後、軽い運動を行っていたのを模倣した。

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