阪神・能見、昨年の屈辱胸に今季初登板

 基本的に、過去に執着するタイプではない。けれど、昨年味わった屈辱や自身へのいら立ちは、忘れることができないものだった。同じような思いはもうたくさん。だから、動いた。阪神・能見篤史投手は動くことで、現状を打破しにかかった。

 「気持ちの部分と体の部分が若い時は比例しなかったけど、マイナス要素を自分の中でイメージしてしまうというか、試合中でも点を取られたら(マイナスのイメージを)する時がピッチャーにはある。(昨年は)その時に体も動かなくなったりした。前まではそういうことがなくて」

 振り返るのは、苦しんだ昨シーズンのこと。26試合に投げて、9勝13敗で防御率が3・99。11年から続いていた2桁勝利がストップしただけでなく、防御率の3点台は08年以来6年ぶり。理由はいくつかあったものの、痛感したのが心と体のバランスの崩壊。気持ちが萎えると、体も同じように動かなかった。

 「若い時はなかったですし、昨年が一番ひどかった。体も一緒に反応するから。精神的な部分では改善できない。体の部分でもありますし、だからその一つで(体を動かす意味でも)下半身を強化してきた」

 オフから精力的に走り込み、下半身強化に励んだ。試合中、メンタル面でマイナスのイメージを描いてしまう時でも、体が動けばそのイメージを壊し、打者と全力で向かい合える。今年で36歳。ベテランと呼ばれる年齢であっても、まだ老け込むつもりはない。

 「(年齢によるスタイルの変化は)まだないかな。自分はまだ感じることがない。そういう時期がきたら、そうするだろうし。そういう先のことをイメージはしても、投げてる感じは昨年と比べても全然いいしね」

 オフのトレーニングの成果は早くも感じ取れている。「自分の中では体の動き方は昨年とは違う。いい方向には動いてきている」。オープン戦から順調に調整を進め、手応えも深まっている。もちろん「シーズンで成績が出ないと正解にはならないですけど」と、長いシーズンを見据えており、慢心などは一切ない。

 今年は開幕投手ではなく、31日のヤクルト戦(神宮)で初登板。開幕2カード目の初戦を任された。ローテで言うと、能見に続くのが岩本、岩崎という若い2人。そういう意味でも、先陣を切る能見への期待は大きいものとなる。

 「(自身の登板が)連勝で来たら伸ばしていくだけで、連敗で来たら止めたい。それをプレッシャーとして感じてやることはない」と能見。チームは開幕3連勝を決めて神宮へ乗り込んだ。31日は4連勝をかけてのマウンドだったが、5回4失点で負け投手となった。

 チームの優勝の目標に加えて、今季のテーマとして掲げるのは「粘る」こと。目の前の登板に神経を注ぐ一方で、先も見据えながら、雪辱を晴らす戦いに身を投じる。

(デイリースポーツ・道辻 歩)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス