広島今村2軍先発起用の先に見えるもの

 巨人、阪神との“3強”を形成し、23年ぶりの優勝を目指している広島。勝負の9月を前にして、今村猛投手が2軍で先発マウンドに上がっている。

 09年ドラフト1位として長崎・清峰高から入団した今村は、11年から中継ぎとして1軍に定着。3年連続で50試合に登板している。12年には69試合2勝2敗4セーブ、防御率1・89の好成績を残し、13年3月には日本代表としてWBCを戦った。ただ、13年のシーズンは調子を崩して57試合2勝5敗3セーブ、防御率3・31に終わっている。

 今季はセットアッパーの座奪回を目指したが不調が続いた。開幕1軍を逃し、4月6日に昇格したが、4月21日に抹消。6月6日に再昇格したものの、再び7月14日に降格した。8月26日までに17試合1勝1敗、防御率4・35。苦戦が続いている。

 今季2回目の2軍落ちを経て迎えた7月23日のウエスタン・ソフトバンク戦(雁ノ巣)で先発マウンドに臨み、2回5失点に終わった。それでも、続く8月12日のウエスタン・オリックス戦(由宇)は9回2失点で完投。以降は先発マウンドに立ち続けている。

 内田2軍監督は「先発転向ではない。リリーフだと1イニングを全力で抑えようとして、息が詰まる投球になる。少し余裕を持たせたかった」と、起用理由を説明した。ただし、「今村はまだ23歳だから。あと10年以上現役を続ける投手。新しい適性が見つかることもあると思う」とも続けた。

 今村の中継ぎとしての再生を目指しつつも、本格的な先発転向の可能性を見定めている首脳陣。150キロ超の直球、鋭いスライダーが武器で、常日頃から「軽く投げてピュッといくのが理想」と話すフォームが、持ち味の右腕に対する期待は大きい。

 カープには148勝138セーブの大野豊、138勝106セーブの佐々岡真司など、先発でもリリーフでも活躍した投手の系譜がある。早くも1軍199試合に登板している経験豊富な23歳には、大きな可能性が秘められているはずだ。

(デイリースポーツ・山本鋼平)

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