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なぜ松井秀喜氏はノックで空振りするのか

ノックを打ち損じ、声をあげる松井臨時コーチ
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 信じられない光景だった。巨人・松井秀喜臨時コーチ(39)がなんとノックで空振りした。ヤンキースでワールドシリーズМVPにも輝いた世界一の大打者が…。なぜこんな珍現象が起きるのか。日本一の名ノッカー阪神・高代延博内野守備コーチ(59)に聞いてみると、その答えは意外なものだった。

 「ああ、それは有り得ますねえ」。高代コーチは、松井のノック空振り現象に、大して驚いていなかった。「結構いるんですよ。選手にノックやってみろってやらせると、すごい打者でもできないってのは良くありますよ」。

 へえー。ノックは別に150キロの球を打ち返すわけではない。フォークやスライダーでタイミングを狂わせられることもない。自分が打ちやすいように、ひょいとトスするように上に投げて打つだけ。草野球のおっちゃんでも、子供にだってできる。

 「実はノックのできない人ってのは、スイングの問題ではなくて、トスがうまく上げられないんです」。ああ、なるほど。そういえば松井臨時コーチも、一度ならず三度も空振り。トスを上げるタイミングに四苦八苦していた。

 「ほとんどの人は体の近くに上げてしまう。実はノックのコツは、体から遠くに上げて打つことなんです。それがなかなかできない」。松井コーチも「ノックバットのシンは先の方にある」と言っていた。実はそうではなくて、上げる球が体に近すぎるからそう感じるのだ。挙げ句の果てにはどん詰まりで、バットを折ってしまった。

 左打者なのに、右でノックしていた。阪神の掛布雅之DCもそうだし、吉竹コーチはずっと左でノックしている。松井コーチも左でやろうと思えばできた。これは本人が「右でないとトスを上げられない」と言っている。つまりノックに関しては、左より右の方が得意なのだ。しかし右でノックをするときに、松井コーチは投手よりの左手でトスを上げていた。普通は手を交差するようにして右手でトスをするのでは。

 「それはどちらでもいいんです。ただ左で上げると打球方向を野手に読まれてしまう。右で上げる方が、打つ瞬間にトップにも入りやすい。アマ時代には松永怜一さん、プロでは広岡達朗さんに、右手で上げた方がいいと教えられました」

 名打者、必ずしも名ノッカーならず。大打者は現役時代、ノックする機会などないということもあるだろう。ただ打者のタイプで、器用かそうでないかが分かれるのかもしれない。高代コーチによると中日時代の落合博満監督は、すぐにノックができたということだ。

(デイリースポーツ・改発博明)

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