須崎優衣 相撲から学び“横綱”に 父の影響で両国国技館に足運び横綱に夢中の幼少期
「東京五輪・レスリング女子フリースタイル50キロ級・決勝」(7日、幕張メッセAホール)
女子50キロ級は初出場の須崎優衣(22)=早大=が決勝で孫亜楠(中国)にテクニカルフォール勝ちし、金メダルを獲得した。6日の1回戦から全4試合、無失点のテクニカルフォール勝ちとした。女子で日本は53キロ級の向田真優(ジェイテクト)と、57キロ級の川井梨紗子、62キロ級の川井友香子(ともにジャパンビバレッジ)の姉妹に続いて4個目の金となり、これまで最多の2016年リオデジャネイロ五輪に並んだ。
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須崎はレスリングを始めて2年はなかなか勝てなかったが、松戸ジュニアで指導した野間良秀さん(65)は「タックルの入り方や、構えの低い姿勢とかは教えなくてもできていた」とセンスを感じていた。父康弘さんは「相撲の立ち合いを見ていたから、潜在的にタックルだけはうまかった」と分析する。
相撲好きの父の影響で、須崎も小さい頃から毎年のように両国国技館に足を運び、テレビでも取り組みを見ていた。幼少期は横綱朝青龍や白鵬の勝ちっぷりに夢中で「生で見ると迫力があってすごい」と感化。また、武蔵川部屋とは餅つき大会に参加するなど交流があり、最近も元小結垣添(現雷親方)が須崎の祝勝パーティーに参加することもある。
須崎は試合に入る直前、マット上で膝に手を置いてグッと腰を落とすルーティンがあるが、相撲の立ち合いにインスパイアされ、中学時代からやっているものだ。雷親方からも「優衣ちゃん、相撲のそんきょ姿勢をしているね」と言われる。日本の国技から着想を得たレスリング勘で“横綱”に上り詰めた。(デイリースポーツレスリング担当・藤川資野)