須崎優衣「夢みたい」笑顔と涙の金メダル 圧巻全試合テクニカルフォール、失点0
「東京五輪・レスリング女子フリースタイル50キロ・決勝」(7日、幕張メッセAホール)
日本選手団の旗手を務めた世界ランキング1位の須崎優衣(22)=早大=が圧勝で金メダルに輝いた。勝利を決めて会心の笑顔、そして涙を流した。
「今の自分があるのは自分に関わったすべての人のおかげです。夢みたいです」。インタビューで話した。
孫亜楠(中国)と対戦。2点先制してさらにグラウンドに持ち込むと足をとって相手を回す。4分24秒も残して、10-0。今大会全試合テクニカルフォール、1点も取られずない圧勝劇で金メダルを奪った。
表彰式を前に「泣きやんで、みなさんに最高の笑顔を見てもらえるように準備します」と泣きながら笑った。
開会式後は「最高の舞台で日本選手団の旗手を務めさせて頂きありがとうございました。東京オリンピックを開催して頂けたことに感謝して最高の舞台で大好きなレスリングを楽しんで絶対に金メダルを獲得できるよう頑張ります。閉会式も笑顔で出られるように」とSNSに投稿。有言実行となった。
千葉県松戸市出身。早大レスリング部出身の父の影響を受け、地元クラブで競技を始め、中学6冠。中2から全寮制のJOCエリートアカデミー入りし、英才教育を受けた。
五輪4連覇の伊調馨に似て下半身のパワーとスピードが抜群。安部学院高2年時の全日本選抜決勝では、1年時に連勝記録を83で止められた入江ゆきに雪辱し優勝を果たした。
2018年に早大に入学。19年の全日本選手権で入江、16年リオデジャネイロ五輪覇者の登坂絵莉を退け、代表切符をつかんだ。
◆須崎優衣(すさき・ゆい)1999年6月30日、千葉県松戸市出身。レスリングのため地元の六実中から東京都北区稲付中に編入。私立安部学院高、早大と進む。2014年から世界カデット3連覇、世界ジュニアは18、19年連覇、世界選手権は17、18年連覇と7つの世界タイトルを獲得している。身長153センチ。