新谷仁美 涙の告白9分「逃げたかった」五輪反対の声受け止めた半年間 でも「無視できない」
「東京五輪・陸上女子10000m・決勝」(7日、国立競技場)
広中璃梨佳(20)=日本郵政グループ=が自己ベストを更新する31分0秒71で7位入賞を果たした。同種目での日本勢の優勝は1996年アトランタ五輪の千葉真子(5位)、川上優子(7位)以来25年ぶり3人目。新谷仁美(積水化学)は21位、安藤友香(ワコール)は22位だった。
新谷は最初の1周で2番手につけるなど、積極的なレースを見せたが、体調不良もあり、本来の躍動感溢れる走りは影を潜め、完敗に終わった。レース後の取材エリアでは、大粒の涙をこぼしながら、9分間にわたって激白。「ただただ力不足を痛感したレース。自分の体調を合わせることができなかった。それだけ。ただただ力不足。何度も何度も逃げたくなって、その度に気持ちを振り向かせてくれる人がいた。だから走りきることができました。本当にありがとうございました」と、頭を下げた。
これまで五輪開催是非や、ワクチン問題、女性アスリートの生理の話など、きっぱりと自身の考えを示してきた。開催是非については五輪中止論にも寄り添った考えを明かしてきた。そんな中で開催された大会に出場。重圧を背負っていた。「正直、代表が決まった12月4日から勝ちとか負けではなく、ただただ逃げたかった。アスリートがどういった目で見られていたか、街中を走っていれば分かるので」。その重しは体調面だけでなく、精神面にも響いていた。
大会が進むにつれて、アスリートの活躍で、五輪に肯定的な声も増えてきた。「そういうポジティブな声だけを聞いていれば、もしかしたらこんな結果になっていないかもしれない」と認めた上で「でもそうじゃない人たちもいる。それは私たちと同じ国民。その人たちを否定することは私にはできない。その人たちがいるからこそ、私たちアスリートは生かされている。応援してくれる声も、そうじゃない人たちの声も無視はできない。たとえ、それが自分に影響があっても、受け止めて走る責任がある」と、はっきりと言った。
そして結果を残せなかった自分を責めた。「結果がすべてと言ってきた自分には、この結果を今すぐ受け入れることはできない」。9分間。最後まで嗚咽が響いていた。
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