卓球男子“勝負オーダー”ハマった!「昨日の夜決めた」張本&丹羽ペア的中で4強
「東京五輪・卓球男子団体・準々決勝、日本3-1スウェーデン」(3日、東京体育館)
前回リオデジャネイロ大会銀メダルの日本は、世界ランク5位の強敵スウェーデンを下して4強入りした。第1試合のダブルスは、張本智和(木下グループ)丹羽孝希(スヴェンソン)組で先勝。第2試合シングルスの水谷隼(木下グループ)は敗れたものの、第3試合は張本が快勝し、第4試合は丹羽が相手エースのファルクを撃破した。
倉嶋洋介監督の思い切った采配が的中した。ダブルスは、初戦のオーストラリア戦では事前合宿から準備してきた異色の左左ペア(水谷&丹羽)を起用して快勝したが、強豪のスウェーデン相手には通用しづらい。そこで、右の張本&左の丹羽ペアで先手を取りにいき、今大会好調の水谷をエース(シングルス2試合)起用する勝負手に出た。
まさに狙い通りに試合が運んだ。張本、丹羽のダブルスで先勝すると、第2試合は水谷が相手エースに屈したものの、第3試合は張本が会心の勝利を挙げた。
さらにハマったのが、第4試合の丹羽だった。相手エースとは相性がいいとの読みだったが、期待通りに“いぶし銀”ぶりを発揮。相手の強打を封じ、先手をとる攻撃でミスを誘いながら3-0と攻略した。殊勲の技巧派は「調子は絶好調というわけではないが、(ダブルスを含めて)2点取れて驚いている」と口角を上げた。
倉嶋監督によれば、この日のオーダーは前日の1回戦終了後に決定し、選手に伝えたという。張本、丹羽ペアは19年のワールドツアーで2大会試しただけ。事前合宿でもほとんど準備していなかったというが、前日夕方から2時間ほどの練習で急ピッチで息を合わせた。
指揮官は思い切ったオーダー変更について「戦略の一つ。急きょ、昨日の夜インスピレーションで(決めた)」と明かし、「相性も考えた。今日のオーダーはバッチリ。選手がいい戦いをしてくれた。賭けではない。昨日の夜決めた。(ダブルスの練習を)2時間しかやってねーじゃねえかと言われるかもしれないが(準備時間として)十分でしょ(笑)」と、してやったりの笑みを浮かべた。
リオデジャネイロ五輪のエースだった水谷が試合を落としても勝ち切り「水谷抜きで3点取ったことは大きい」と大きな手応えを示した。
北欧の難敵を下し、2大会連続のメダルに王手を懸けた。準決勝は、ドイツか台湾の勝者と対戦する。いずれも強敵になるが、オーダーについては「わかりません。明日になってみないと(笑)」と煙幕を張った。