「東京五輪・卓球男子団体・１回戦、日本３－０オーストラリア」（２日、東京体育館）

　男子団体の１回戦は前回リオデジャネイロ五輪銀メダルの日本（水谷隼、丹羽孝希、張本智和）がオーストラリアを３－０で下した。３日の準々決勝でスウェーデンと対戦する。

　日本男子最大の“懸案事項”だったダブルスで快勝した。水谷、丹羽はともにサウスポー。ダブルスで左同士が組むことは極めて異例で、ポジション移動やフットワークが難しく、トップレベルでは世界的にほとんど見ない変則ペアだ。

　日本はエース張本をシングルス２試合で起用するため、水谷、丹羽ペアの構想を温めてきたが、初陣となった１９年香港オープンでは初戦敗退と撃沈。以降は実戦で試しておらず不安視する声もあったが、五輪本番でついにベールを脱いだ。

　ともに個々では世界最高峰のスキルを持つプレーヤー。ラリーになると不利になるものの、サーブやサーブレシーブの早い段階から攻勢を仕掛けポイントを重ねた。混合ダブルスでは金メダルを獲得している水谷は「今日は（男子の）ダブルスもシングルスも初めてだったが、感触を確かめながらいいプレーができた。状態は非常にいい」とうなずいた。

　一方で、慣れない左同士とあって、２人のポジションが重なり、がら空きのフォア側を抜かれる場面もあった。日本男子の倉嶋洋介監督は「３回くらい（２人の身体が）ぶつかっていた」と苦笑いしつつ、「左左は（立ち位置を）回らないと邪魔になってしまうが、そういうコンビネーションも（練習では）できているので心配してない」。丹羽は「ラリーになると難しいので（早めに）積極的なプレーをしていきたい」と修正点を挙げた。

　水谷は「（２人が）重なってしまうボールもあるが、正直あれはしょうがない。ある程度ヤマを張らないといけないので」と説明。準々決勝は難敵のスウェーデン相手だが、「次は本当に強いので、勝つ確率は五分五分。自分たちの全力を出すしかない」と気を引き締めた。