耐えて耐えて久保の一刺しに勝機 53年ぶりメダルへ森保監督“スペイン撃破プラン”

 スペイン戦に向け、最終調整する(左から)遠藤航、橋岡、久保建、三好
 準決勝のスペイン戦を前に会見する森保監督
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 「東京五輪・サッカー男子・準決勝、日本-スペイン」(3日、埼玉スタジアム)

 サッカー男子で史上初の決勝進出を狙う日本は2日、準決勝のスペイン戦(3日、埼玉スタジアム)に向けて千葉市内で冒頭部分を除く非公開で最終調整し、MF久保建英(20)=レアル・マドリード=らが汗を流した。勝てば1968年メキシコ五輪銅以来、53年ぶりのメダル獲得も決まる。試合会場で行われた公式会見で、森保一監督(52)は「メダルを懸けた戦いに挑めることに誇りを持って臨んでほしい」と選手たちへ期待を寄せた。

 歴史を動かす戦いになる。森保監督も「決勝に進めば歴史を変える」と自認しつつも、「結果は後付け。できる選手の集まり。思い切ってプレーしてほしい」と背中を押した。

 忍耐からの一刺しに勝機を見いだす。ボール保持に秀でたスペインに試合を支配され、押し込まれる展開が予想される。森保監督は「ボールを握られても粘り強く我慢強く、相手のやりたいことを食い止めながら攻撃につなげていきたい」と覚悟を決めている。

 五輪直前の強化試合でも対戦し、1-1で引き分けている。序盤から引き気味に構え、一瞬の隙を突いて堂安がゴールを陥れた。今回は守備の要でもある冨安が出場停止となるが、4試合1失点の堅守でしのぎ、数少ない好機を生かす戦い方がやはり現実的となる。

 久保建の左足に夢が託される。絶好調の背番号7は4戦連発こそ逃したが、チーム最多3得点の決定力を誇っている。オーバーエージ枠のスペインFWアセンシオ(レアル・マドリード)も「タケ(久保建)は偉大な選手」と警戒を強める。

 10歳から13歳まで過ごした“第2の母国”との対戦に、久保建も高ぶりを抑えられない。準々決勝後には「ちょっと自分の首を絞めるくらいじゃないとスペインには勝てない。どう倒すとかはどうでもいい。勝てばいいので。どんな戦い方になるか分からないけど勝ちます。勝たせてください」と勢い込んだ。

 指揮官は「我慢強く試合を進め、修正能力を発揮して勝利につなげていく部分は成長してきた」と自信を深めている。粘り強く耐えた先に、歴史の扉を開く鍵を見つけ出すことができる。

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