号泣銀メダル 文田健一郎「不甲斐ない結果で申し訳ない」研究された世界王者

 男子グレコローマン60キロ級決勝で敗れて涙を流す文田健一郎(撮影・堀内翔)
 男子グレコローマン60キロ級決勝で敗れて涙を流す文田健一郎(撮影・堀内翔)
 男子グレコローマン60キロ級決勝で敗れて肩を落とす文田健一郎(撮影・堀内翔)
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 「東京五輪・レスリング男子グレコローマン60キロ級・決勝」(2日、幕張メッセAホール)

 “猫レスラー”の異名を取る文田健一郎(25)=ミキハウス=が銀メダル。1984年ロサンゼルス五輪52キロ級の宮原厚次以来37年ぶりのグレコローマンスタイルでの金メダルには届かず。号泣した。

 インタビューでも、涙が止まらなかった。「まずは大会の開催と、運営に協力してくれた人と、テレビの前で応援してくれた人全員にこの場を借りて感謝したいと思います。ありがとうございます。この舞台に立つことを目標にやってきて、出場を決めた時も、1年延期が決まった時も、東京のマットで戦いたいと思ってやってきました。勝って恩返ししたかったんですけど、不甲斐ない結果に終わって本当に申し訳ないです」

 ルイスアルベルト・オルタサンチェス(キューバ)と対戦。第1ピリオドで4ポイントを奪われた。第2ピリオドで1ポイント奪うが、場外に出されて逆に1ポイント奪われた。執拗に手首をつかむ相手に対し、狙い通り組めず、得意の投げに持ち込めなかった思うような戦いを封じられた。

 「研究して徹底的に自分の形にさせてもらえないのは分かっていたこと。その研究の上をいけなかった自分の実力だと思います」。

 ここまでの戦いを振り返って、「今回のオリンピックを通して、本当にたくさんの方に応援されていると改めて実感して、そういう人たちの期待に応えられなかったのがすごく悔しいです」と涙をぬぐった。

 五輪前には拠点とする日体大での練習に力強い援軍が現れた。五輪切符を争った16年リオ五輪銀メダリストで、総合格闘家に転向した太田忍が2度激励に訪れ、両日ともにスパーリングを実施。1回目は負けを喫したが、1週間後に再び訪れた太田とのスパーリングでは、文田が勝利。「『自分の戦い方をしろ』って言ってくれたおかげで調子を取り戻した」と先輩に感謝した。

 「忍先輩が自分に身につけさせてくれたものを持って東京で結果を残していきたい」。先輩の思いを胸に立った大舞台だった。

 山梨県韮崎市出身。韮崎工高時代にグレコローマン3階級で全国制覇。3年時の高校総体ではフリー60キロ級で優勝した。日体大2年時に全日本学生で優勝。3、4年時の全日本選手権ではリオ五輪銀メダリストの太田忍を連続で破り連覇。2017年世界選手権ではグレコローマンスタイルの日本選手として34年ぶりの金メダル。19年も優勝し東京五輪の代表に内定した。

 背中などの柔らかさが特長で豪快なそり投げ技が得意。プレースタイル加え、大の猫好きで「猫レスラー」、「ニャンコローマンレスラー」の異名持つ。

 ◆文田健一郎(ふみた・けんいちろ)1995年12月18日、山梨県生まれ。20年全日本選手権で2年ぶり3回目の優勝。猫カフェで気分転換するのが趣味という。

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