素根輝が涙の金 78キロ超級、塚田真希以来4大会ぶり「とにかく先に攻めようと」

 オルティスに攻め込む素根輝(撮影・堀内翔)
 オルティス(左)を攻める素根輝(撮影・堀内翔)
 金メダルを獲得して号泣する素根輝(撮影・堀内翔)
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 「東京五輪・柔道女子78キロ超級・決勝」(30日、日本武道館)

 素根輝(21)=パーク24=が決勝で北京五輪銅、ロンドン五輪金、リオ五輪銀メダリストで世界ランキング1位のオルティス(キューバ)との激闘の末、勝利。2004年アテネ大会の塚田真希以来、78キロ超級で4大会ぶりの金メダルを日本にもたらした。

 涙をぬぐい、嗚咽をもらしながら「コロナ禍の中でオリンピックが開催されて感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。

 激しい組み手争いをしつつ、お互いに慎重な攻防が続き、ゴールデンスコア方式の延長戦に突入。5分過ぎに互いに指導が出された。積極的に技を出す素根、受け身に回るオルティス。7分50秒を過ぎてオルティスに2つめの指導。8分52秒、オルティスに3つ目の指導が出されて勝負は決まった。

 「とにかく先に攻めよう、絶対に負けないと思って攻めました。この大会のために練習を頑張ってきたので、それがこの大会で出せて良かったです」。あふれる涙を流しながら、熱い思いを口にした。

 「名前の通りに輝けるように」と意気込んでいた若きスターが、有言実行の金メダルを手にした。

 19年春、素根は環太平洋大に入学した。同校では、バルセロナ五輪男子71キロ級金メダリストで3月24日に亡くなった古賀稔彦総監督に師事。試合に臨む心構えや駆け引きなどを学んだ。すると、個人として初出場だった19年夏の世界選手権で優勝。同年11月のグランドスラム(GS)大阪大会も制し、柔道では最初に東京五輪日本代表に内定した。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で五輪が延期。対人練習ができない期間が長く続くなど、未曽有の経験が襲った。20年7月には自主退学を決断。柔道専念の道を選んだ。

 その後は地元・福岡を拠点に練習を積んできたが、今春から上京。実業団のパーク24に入社し、日大に入学した。「もっと強くなれる環境を探している中で声をかけていただいた。東京が拠点なので出稽古先も多く、強くなれる環境が整っている」と貪欲さが異例の挑戦を後押した。

 座右の銘は「3倍努力」。重圧がかかる東京五輪の舞台で、宣言通り輝いた。努力は決して、裏切らない。素根が最高の舞台で証明した。

 ◆素根輝(そね・あきら) 2000年7月9日生まれ。福岡県出身。19年の世界女王。豊富なスタミナと担ぎ技が武器だ。

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