満身創痍の張本智和「本当に力は残ってない」「3人で一緒に寝るしかない」死闘敗戦に憔悴 足の異変は言い訳にせず

 「パリ五輪・卓球男子団体・準決勝、日本2-3スウェーデン」(7日、パリ南アリーナ)

 世界ランキング4位の日本は同7位のスウェーデンと対戦。3時間半を超えるフルセットの死闘の末、2-3で大逆転負けを喫した。

 敗戦が決まると、張本智和はコート上に突っ伏して泣き崩れた。憔悴した表情で取材に応じ、「死んで楽になるなら死にたい。こんな思いするくらいなら…。この現実を受け止めなくていい方法が死ぬ以外にあるなら、それがいいですけど…」と極限の心理状態を明かした。

 第5試合。シェルベリとの激闘で足のマッサージを受ける様子が何度かあった。シングルスを含めて激闘が続き、満身創痍の状態。田勢監督は「左太ももの違和感」と症状を説明したが、張本自身は「つりそうだったが、最後までつらずクリアできたので、コンディションはできる最善のコンディションではあった」と言い訳しなかった。

 決勝まであと一歩だった。篠塚大登と戸上隼輔のダブルス、張本智和のシングルスで2勝したが、ここから3連敗。第3試合を戸上、第4試合を篠塚で落とすと、第5試合もエース張本智和が2ゲーム先取から逆転された。

 敗戦の責任を背負った張本は仲間、客席に「ごめん」と謝罪すると、慰める監督に抱き締められた後もショックは隠せず、コート上に突っ伏して泣き崩れた。

 張本は「一人になったら本当に死にそうなので、3人で一緒に寝るしかない。明日の朝3人で起きられれば十分」とし、3位決定戦については「今の気持ちは頑張りたくない。本当に力は残ってない。でもやるしかないというか…」と気力を振り絞ろうと自身に言い聞かせた。

 田勢監督は張本を抱き起こし「何も恥ずかしいことはない」と声をかけたという。戸上も「張本選手が一人で抱え込まないように、自分があの悪い流れを作ったと思ってるので大丈夫だよとしか言えなかったんですけど、声をかけるのが精いっぱいでした」と語った。

 憔悴の張本は「監督には頑張ったと100回くらい言われた。とにかく3人とも頑張ったのは本当です」。完全アウェーの状況で、持てる力は全て出し尽くした。

関連ニュース

パリ五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス