スノボ大国となった日本 視聴者の心を打った選手の人間力 戸塚は表彰台で脱帽 村瀬は「寒いのにありがとうございました」インタビュアー気遣う
開催中のミラノ・コルティナ五輪でスノーボードの日本勢は金メダル4個、銀メダル2個、銅メダル3個の計9個を獲得した。北京五輪の3個から一気に飛躍した形となる中、競技後のメダリスト達の姿が視聴者の反響を呼んでいる。
スノーボード選手が物議をかもしたバンクーバー五輪以降、全日本スキー連盟は人間力強化に取り組んできた。特にソチ五輪までの4年間は各競技の日本代表が使用する国立スポーツ科学センターを利用する頻度を増やした。同時に有識者や、メディア関係者などの講義も開催。現役アナウンサーによるインタビュー講座もあった。
当時、日本代表には平野歩夢の姿も。平岡卓は「スノボがもっとポピュラーになるように、メダルを獲ってアピールしたい」と語っていた。ソチ五輪から12年、その系譜が脈々と受け継がれているシーンが見受けられたのは競技後だ。
男子ハーフパイプで金メダルを獲得した戸塚優斗(24)=ヨネックス=は、表彰台で涙を流していたが、君が代が流れると我にかえって脱帽。銅メダルの山田琉聖(19)=専門学校JWSC=も帽子を脱ぎ、つられて銀メダルのスコット・ジェームズ(オーストラリア)も脱帽する珍しい状況となった。
戸塚は「自分の優勝で(君が代を)流せたっていうことがすごく光栄だったし、日の丸を揚げられたのは嬉しかった。(脱帽は)敬意を込めた行動だった」と語り、続いた山田は「脱帽は優斗くんを見て帽子を取らないとって(思った)」と明かしていた。
また女子ビッグエアで金メダル、スロープスタイルで銅メダルを獲得した村瀬心椛(21)=TOKIOインカラミ=は、インタビューでの心遣いが視聴者の胸を打った。ビッグエアで金メダルを獲得した際には、カメラに向かって笑みを浮かべながら視聴者に届くように見せた。そして最後に「寒いのにありがとうございました」とインタビュアーに言いながら二度、深々と頭を下げた。スロープスタイルで銅メダルを獲得した際には悔しさに涙を流しながら思いを吐露し、最後に「この銅メダルはみなさんのおかげでもあるので、本当にありがとうございました」と語った。そして表情をくしゃくしゃにしながら「お疲れ様でした。ありがとうございました」と言うと、スタッフに導かれながら引き揚げた。
他の種目でも支えてくれた人たちへの感謝であったり、自分の思いを吐露しつつも礼節を忘れなかった選手たち。スノボ大国となった中、技術だけでなく日本勢の人間力も垣間見えたシーンが多々、あった。
