京子リオに未練…メダル逃し現役示唆

 「ロンドン五輪・レスリング女子72キロ級」(9日、エクセル)

 女子2階級が行われ、72キロ級の浜口京子(34)=ジャパンビバレッジ=は初戦の2回戦で2004年アテネ大会銀メダルのマニュロワ(カザフスタン)に敗れ、敗者復活戦にも回れず敗退した。アテネ大会で女子が正式種目になって以来、日本がメダルを逃すのは初めて。

 浜口が初戦で負けた。今年5月にロンドン五輪限りでの『引退』を示唆し、これがラストマッチとなるとみられていたが、一転、「まだリングシューズを脱ぎたくない」と現役続行を宣言。引退を翻意したことから、38歳となる4年後のリオデジャネイロ五輪挑戦の可能性も出てきた。

 初戦の2回戦はアテネ五輪銀メダリストのマニュロワと激闘の末、延長戦へ。攻撃権を選ぶ抽選では浜口を示す青のボールが取り上げられ、絶対優位となった。浜口は相手の右足をつかんだ状態から前進したが、逆転の投げを食らった。「自分が倒した」とガッツポーズでアピールしたが、抗議も実らず。マニュロワが準々決勝で敗れたため、敗者復活戦にも回れず、3大会連続メダルの夢は消えた。

 母初枝さんは「京子、よくやった。90点あげたい」とたたえたが、本人はまさかの落とし穴に、ぼうぜんとするしかなかった。五輪では初の初戦黒星。女子で初めて日本勢がメダルを逃す不名誉な記録となった。

 試合後は泣き腫らした目で「世界の壁をまざまざと見せられたロンドン五輪だった。負けは負け。自分を信じて全力を出し切った」と前を向いた。

 東京で行われた5月のW杯で敗戦後、マットに惜別のキスで「日本で試合をするのが今回で最後」と涙ながらに事実上の引退を表明したが、この日は「まだ分からない。今後、自分と相談するが、まだまだレスリングシューズは脱ぎたくない」と、現役生活に未練を残した。浜口は父や仲間が陣取るスタンドに頭を下げた。まだ、あきらめられない。

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