加納陸、最年少世界奪取へ来夏にも

 ボクシングの大成ジムは12日、WBAアジアミニマム級王者・加納陸(17)と慢性骨髄性白血病で2月24日に死去した17歳のプロボクサー・服部海斗さんの兄・力斗(20)の次戦を発表し、両選手は兵庫県三田市内で会見した。

 加納は9月27日、大阪府立体育会館で6勝(1KO)4敗の松井謙太(20)=三河=とライトフライ級で6回戦。初防衛戦を行う世界3階級王者・井岡一翔(26)=井岡=のアンダーカードで国内2戦目となる。

 「大舞台で試合がしたいのはあった。タイトルマッチをする時は大舞台だし、そのための一つの経験として、大舞台で勝ちたい」と意気込んだ。

 16歳で海外デビューし、昨年12月に最年少でタイトルを獲得。6月に国内デビュー戦を3回KO勝利し、プロ9戦目で初の日本人相手の試合となる。「日本の選手はどうか分からないので楽しみ。食われないようにしっかり返り討ちにしたい」と必勝を誓った。

 年内に世界ランカーとの対戦も内定。来春には東洋太平洋か日本タイトルに照準を合わせる。狙うは井岡弘樹氏の持つ国内最年少18歳9カ月での世界奪取で、来夏に世界挑戦するプランだ。

 「早く世界王者になれるように。手が届くように。この試合は落とせない」とキッパリ。丸元大成会長は早や、IBF世界ミニマム級王者・高山勝成(仲里)の名を挙げ、「陸が若いときから相手をしてもらった。弟が兄を食うこともある」と、青写真を描いた。

 プロ3戦3勝の力斗は10月9日、阿倍野区民センターで3勝1敗の前田尊明(32)=真正=を相手にライトフライ級で4回戦。弟が亡くなってから同ジムに移籍し、6月の追悼試合を判定勝利した。

 「今週は初盆になる。盆には帰って来ると言うし、試合が決まったことを報告して、海斗とまた頑張りたい。『早いことA級ボクサーになって、大舞台に立てるように頑張るわ』と海斗には言います」と弟の思いを背負い、戦うつもりだ。

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