蘭乃はな 退団会見一問一答
「私、蘭乃はなは11月16日の『エリザベート』千秋楽をもちまして、宝塚を卒業させていただくことになりました。最後の日までどうぞよろしくお願いいたします」
‐退団を決めた時期と理由は。
「昨年の今ごろの『オーシャンズ11』(13年2~3月)の公演中に、充実した気持ちになりまして、そのころから卒業を意識し始めていました。前作の『愛と革命の詩』(13年8~9月)の公演の時に劇団の方に、卒業を考えているということを話しました。劇団の方から(5月に退団する)蘭寿さんを見送った後に『エリザベート』をやってほしいという話をいただきました。私自身もこのタイミングが本当にベストかどうかということを非常に悩みましたが『エリザベート』という作品は私を宝塚に導いてくれた作品でもありましたので、一生後悔すると思って決断しました」
‐当初は蘭寿とむと同時退団を考えていた?
「自然にそういうふうに考えていた自分がいたと思います」
‐「エリザベート」の前には「ベルサイユのばら」(今年6月)のマリー・アットワネット、娘役にとってはとてもすばらしい役を2つ演じて辞めることに関しては。
「多くの諸先輩方、娘役のトップの皆さまがいろいろな苦労を味わいながら作り上げられた役をさせていただけるというのは、とても光栄なことで幸せに思っております」
‐退団決断にあたって蘭寿とむと話をしたか。
「自分で決断しました、というふうに話をしました。蘭寿さんからは、娘役として卒業のあり方というものはさまざまだけれど、自分の人生を考えて決めなさいと言っていただきました」
‐先日の会見で蘭寿とむは「宝塚は魅力的で苦しくて幸せなところ」と言っていた。蘭乃はなにとっての宝塚とは?
「私にとっても蘭寿さんがおっしゃったとおりに感じますし、宝塚に出合ってから卒業する日まで私にとってのすべてだと思います」
‐「エリザベート」に対する思いとは?
「初めて『エリザベート』をビデオで見たときに、こんなにも人の心をふるわす音楽、お芝居、1人の女性の生き方を教えてくれる作品はないなというふうに、まだ中学生ながらに思いました。私は最初から娘役のファンでしたが、さらに娘役という存在にあこがれをもった作品です」
‐今後の予定は?
「宝塚を卒業してからのことは何一つまだ考えられないので、本当に卒業するその日まで、目の前にあることに対して、真摯(しんし)に取り組むということが今の私にできることだと思います。そのほかのことを考える余裕は今はないかなと思っております」
‐応援してくれたファンにメッセージを。
「初舞台から今日まで本当にたくさんの方に支えられ、応援され、そして励ましていただき、蘭乃はなは育てていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。卒業するその日まで日々精進を胸に感謝の気持ちを忘れず、役に真っすぐ、自分に真っすぐに取り組んで参りたいと思います。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします」