淡路恵子さんが送った壮絶人生…

 数々の映画やテレビに出演し、最近では潔いトークでバラエティー番組での“ご意見番”としても脚光を浴びていた女優・淡路恵子さんが11日、食道がんのため、都内の病院で亡くなった。80歳だった。淡路さんは昨年7月から、都内の病院に入院。一時は体重が32キロまで激やせしたことが伝えられていた。関係者は昨夏、「がんではなく、腸に良性の腫瘍が見つかったため」と説明していた。

 淡路さんほど、波乱万丈の人生を送った人がいただろうか。1953年にフィリピン人歌手と結婚。2男をもうけるが、65年に離婚。66年に歌舞伎スターだった萬屋錦之介さんと結婚。芸能界引退する。2男をもうけるが、萬屋さんの個人事務所が多額の負債を抱えて倒産。借金13億円を背負うこととなった。さらに萬屋さんが筋無力症で倒れ、献身的に支える日々。しかし、86年に萬屋さんと元宝塚スターの女優・甲にしきとの不倫が発覚。87年に離婚した。

 その後、萬屋さんとの間にできた三男はバイク事故で急逝。97年には別れても「全部が好き」と話すなど最愛の萬屋さんが死去。04年には錦之介さんの忘れ形見だった四男が、淡路さんの留守中に都内の自宅に窃盗に入り、住居侵入罪で逮捕され、実刑判決を受けた。

 逮捕を受けて会見した淡路さんは、「立ち直らせるため何としても逮捕してほしかった。もう二度と会わない」と悔し涙。酒におぼれ、薬物中毒になっていた四男は、何度も家庭内暴力をふるい、警察に出向く日々。弁護士立ち会いのもと、念書を書かせて「絶縁」した息子だった。

 しかし04年1月、更正の手助けをしてくれた知人の寺で窃盗を働き、逮捕。同年5月には親子の縁を切ったはずの息子が自宅に窃盗に入るという事件を起こした。淡路さんは自ら110番通報。警察に「何としても逮捕して」と求めた。

 会見で淡路さんは「こんなことをして簡単に済むとは思ってほしくない。(甘い処分では)本人のためにならない」と心を鬼にした心境を、涙をにじませ、毅然とした表情で語った。

 晩年、テレビなどで、「生き方を正しなさい」などと、厳しくも愛情あふれたコメントを発していた淡路さん。波乱万丈の人生経験に裏打ちされた重みのある言葉だった。

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